[東京 4日 ロイター] - ホンダ<7267.T>は4日、国内の四輪車生産体制を再編すると発表した。2021年度をめどに狭山工場(埼玉県狭山市)を閉鎖し、同工場での生産車種を寄居工場(同県寄居町)に移す。国内工場の稼働率が低いため生産能力を約2割減らして効率を高める。普及が加速するとみられる電気自動車(EV)などの新たな生産技術の拠点として寄居工場を位置づけ、国内外の工場に水平展開できるようにする。

現在4カ所ある国内の四輪車生産拠点は21年度には寄居工場、鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)、子会社である八千代工業<7298.T>の四日市製作所(同県四日市市)の3カ所となる。

ホンダの国内生産能力は現在約106万台だが、16年度の国内生産は約81万台で、稼働率は約76%にとどまる。今回の集約により生産能力を81万台とし、約70万台を国内用、約10万台を輸出用に充てる。残業などで最大90万台規模まで生産可能にする。

八郷隆弘社長は同日会見し、「国内販売が想定よりも伸びなかった。輸出を増やすことも難しい状況だ」と背景を説明。ただ、日本のものづくりの競争力を向上させ、「日本が電動化技術をリードしていかないといけないと考えて決断した」と述べた。また、現地で売る車は現地で作る「地産地消」の従来方針に変わりなく、世界各地域で生産量の1―2割程度を補完し合うという考え方も維持するという。

同社の世界での年間生産能力は現在約540万台だが、19年に中国・東風ホンダの第3工場新設で12万台増えるため、寄居への生産集約が完了する21年度時点で527万台となる予定。八郷社長は、昨年度の生産台数で試算すれば「稼働率は96%になる」とし、課題の1つである生産と販売のギャップはほぼ解消されるとの見通しを示した。

生産拠点は1カ所減るが、国内全工場の雇用を維持し、狭山工場の従業員約4600人は寄居工場を中心に異動する。寄居では電動車に対応した生産技術を構築・標準化し、国内外の工場どこでも新たな生産技術を移管できるようにする。鈴鹿は引き続き軽乗用車や小型車の生産拠点とする。山根庸史専務によると、どこでどの車種のEVを生産するかは需要動向を見ながら今後、検討するという。

また、八千代工業の四日市製作所をホンダが完全子会社化することも検討する。これについてホンダと八千代の両社は同日基本合意しており、少量モデルのさらなる効率化を目指す。

狭山工場は1964年に稼働し、ミニバンの「ステップワゴン」や「オデッセイ」などを生産。2013年に稼働した寄居工場は小型車「フィット」やスポーツ型多目的車(SUV)「ヴェゼル」などを生産している。両工場の年間生産能力は各25万台。

*内容を追加しました。

(白木真紀)