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美人のもと

湿度は「美人のもと」を減少させる危険な存在である。

西村ヤスロウ [広告プランナー]
【第8回】 2008年4月17日
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*湿度

 朝、電車に乗る。すると晴れた日にもかかわらず、湿度の高い場所がある。電車の中の湿度はあまり気分のいいものではない。

 その湿度の正体は髪である。朝の電車に髪が乾いていない女性をよく見かける。駅まで雨に濡れてしまったのとはちょっと違う。水が垂れるほどではないが、しっとりしすぎている感じ。なんとも言えない「違和感のあるまとまり」が悲しい。

 明らかに乾かす時間がなかったという感じだ。しかし、実際には乾かす時間をつくっていないのが現状。つまり常習犯であることが多い。そのため、自分が湿度の真ん中にいる意識も薄い。改善しようと思うことも少なくなっているのだ。

 時間がなくて電車の中でメイクをすることはあれこれ言われているようだが、湿度をつくることのほうが他人に迷惑である。しかも、だらしないことを宣言しているようで見ていて悲しい。

 その人のそこに至るまでの行動がなんとなく想像できてしまうのが残念だ。

 朝は目覚し時計で起こされる。「目から起きる」ことはあきらめていてなかなか目が開かない。昨日、電車に乗り遅れそうになり、「明日からはすぐ起きる」と決心したのになかなか起きられない。結局ギリギリまで起きない。慌てて起きるが髪がひどいことになっている。なんとか直そうとするが、できない。しかたなく、シャンプー。気づけばもう家を出なければならない時間。そんな時に限って着ようとしていた上着にシミを発見する。乾かす余裕などない。そして今日も湿度。

 ヘンに濡らしてしまうなら、寝癖があったほうがかわいいというものだ。美人のちょっとした寝癖はむしろ、「この人も人間なのだ」という喜びすら与えてくれる。

 下手な小細工はむしろしないほうがいい。湿度は「美人のもと」を減少させる危険な存在である。湿度こそ、見られているのだ。

*バイバイ

 駅で手を振り合うカップルがいる。女性が電車に乗る。お互い手を振る。ドアが閉まる。電車が動いて手を振るスピードが上がる。見えなくなるまで2人とも振り続ける。

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西村ヤスロウ [広告プランナー]

1962年生まれ。プランナー。趣味は人間観察。著書に『Are You Yellow Monkey?』『しぐさの解読 彼女はなぜフグになるのか』などがある。


美人のもと

『経』に好評連載中の西村ヤスロウ氏によるエッセイ。「美人のもと」とは、女性なら誰しも持っているもの、「美人のもと」を磨き続けるためのコツを解き明かす。

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