[東京 5日 ロイター] - 東芝<6502.T>から半導体子会社を買収する「日米韓連合」の中心的な存在である米ベインキャピタルの杉本勇次日本代表は5日、記者会見を開き、東芝メモリを買収後3年で上場させる意向を明らかにした。

同事業の合弁パートナーで、売却差し止めを申し立てている米ウエスタンデジタル<WDC.O>とは、対話によって和解を図ると述べた。会見は前週の東芝と同連合との売買契約締結に合わせて開かれる予定だったが、直前にキャンセルされ、1週間遅れの開催となった。

杉本代表は、買収する東芝メモリ(TMC)について「日本の独立した企業として経営を続けることを支援したい。企業価値を高めることで数年後に東証に上場させてもらいたい」と述べ、具体的な目標として3年後を目指すとした。

買収総額は2兆円となり、このうち出資金額は計9845億円。ベインが設立するSPC(特定目的子会社)が6070億円、東芝本体が3505億円を再出資、HOYA<7741.T>が270億円を負担する。

東芝とHOYAで議決権の50.1%を確保する。ベインのSPCには、韓国のSKハイニックス<000660.KS>が融資と転換社債(CB)などで3950億円を拠出。CBはTMCの議決権15%に相当するが、10年間はそれ以上の議決権を持たない契約となった。SKは、TMCの機密情報にはアクセスができず、技術流出は防げるという。

そのほか、アップル<AAPL.O>など米IT企業4社が社債型優先株4155億円、銀行が6000億円を融資するスキームとなった。

買収完了のためには、来年3月までに各国の独占禁止法の審査を通る必要があるが、杉本代表は「すでに各国の独禁当局にファイリング(提出)を終えている。可及的速やかに審査が終わるように最大限の努力をしている。3月末のクロージング(買収完了)に向けて、できる限り努力していきたい」と述べた。

一方、合弁パートナーのWDとの係争について「彼らも合弁を継続したいと考えており、和解がゴールだと思うので、対話をしていきたい」として、解決に向けて意慾を見せた。ただ、係争が残っていても買収完了は可能との見解を示した。

連合に加わっている米アップルとの関係については「アップルは最大の顧客。製品の供給を続け、より安定的な経営基盤を作る」と説明した。

TMCの将来の設備投資の原資は、まずは会社が生み出すキャッシュフローを充てるとしたうえで、それを超える必要が生じた場合には、ベインが主体となって支援するとした。

(布施太郎 編集:田巻一彦)