[ワシントン 4日 ロイター] - トランプ米大統領が先月発表した税制改革案では、企業の設備投資の全額を課税所得から控除する「即時償却」を5年間認めることが提案された。一部の専門家はこれについて、リセッション(景気後退)に備えた政府の減税策を使い果たすことになると懸念している。

設備投資の全額即時償却が認められれば、一部企業、とりわけ石油掘削業者のような資本集約型企業が恩恵を受ける。

一方、今回の減税案は一部の産業セクターには短期的に追い風となるが、企業全体への影響は不透明との見方がある。

即時償却の対象となるよう設備投資が前倒しされ、2022年か2023年に投資の勢いが落ち込む可能性がある。また、経済が緩やかながら確実に成長し投資資金も豊富にある中で、こうした措置の必要性を疑問視する声もある。

専門家は、即時償却を向こう5年間認めることで生じる確実な結果として、リセッションが起きても2022年まで対策が講じられないことを挙げる。

法人税アナリストのロバート・ウィレンズ氏は「設備投資の全額即時償却によって、政府が求める経済成長がもたらされるとは考えにくい」と指摘。「また今これを認めてしまうと、経済に刺激策が必要なときに何もできない」と懸念を示した。

オバマ前政権は金融危機後の景気対策として2010年9月から2012年1月まで一部の投資に限り、即時償却を認めた。2012年以降は償却対象を50%に引き下げ、2018年に40%、2019年に30%に引き下げられる予定だった。トランプ大統領の提案はこれを2022年末まで100%に引き上げるものだ。

大統領は「少なくとも5年」かつ「かつてない水準での」即時償却を提案し、中小企業の支援を中心に据えて詳細を詰めるよう議会に求めた。税制改革案は今後、議会で審議される。

税制調査団体「タックス・ファウンデーション」のトップ、スコット・ホッジ氏は、トランプ大統領が経済成長を大幅に後押ししたいなら、設備投資を長期にわたり増やすための即時償却の恒久化が必要だと指摘する。

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