KAWAI
CA98

 河合楽器製作所(KAWAI)は10月5日、響板に専用設計の加振機を付け、高性能な音響再生が可能な電子ピアノ“Concert Artist”シリーズ「カワイデジタルピアノ CA98」を発表した。2年半ぶりの新モデル。Bluetooth経由での音楽再生にも対応する。

 CA98はシリーズの最上位だが、CA78、CA48も同時発表した。価格はそれぞれ38万円(税抜)、29万5000円(税抜)、19万5000円(税抜)。発売日はCA98/78が先行して10月20日。CA48の発売は11月10日だ。

背面全体が震え、音が部屋中に広がる

 特徴は音の良さだ。通常の電子ピアノでは左右それぞれのスピーカーを持つのみという機種も少なくないが、CA98ではオンキヨーと共同開発した、響板スピーカーシステム向けの加振器「Vibtone」を装備した。響板を大きく震わせる必要のある低音用と、中高音用の2種類を用意している。

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響板はピアノの背面に置いている。板全体が振動する仕組みだ
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響板を補強する棒材の置き方を変えている
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中高域の特性を改善するために苦労した

 スピーカーで言えば2ウェイ。ただし、中高域の再現に関しては苦心したそうだ。一般的なスピーカーのツィーターは小型で点に近いが、響板の大きな面積を振動させる必要がある。そのため従来機種では、中高域の周波数特性にピークディップがかなり発生していた。そこで取り付け構造を新開発し、伝達ロスを排除。滑らかにつながる周波数特性にするとともに、強く、立ち上がりのいい音が出せるようになった。

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加振器のVibtoneは、低域用と中高域用がある

 響板に関しても改良。強度を上げるため、響棒の数を4本から5本に増やし、かつ取り付け確度を垂直方向にずらしている。横方向の強度を確保するため、その裏側にも響棒を追加した。

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オンキヨーの技術を応用した部品の数々
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メイン基板、KAWAIカスタムチップも用意されている
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左がアンプ部分、Spctra Moduleはヘッドフォン再生を高音質化するためのもの

 この響板スピーカーはCA98のみの特徴だが、CA78も6スピーカー、CA48でも4スピーカーを搭載する、充実した仕様だ。内部にはSpectrum ModuleやDIDRCといったオンキヨーの独自技術を採用。楽器でありながら、ハイクラスオーディオの水準の製品だとする。

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CA78はスピーカーを内蔵している
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オンキヨーとKAWAIの共同開発部分のまとめ

ピアノだけどスマホみたいに使える

 音源に関してもこだわっている。「ピアニストモード」では、ショパンコンクールの公式ピアノにもなった、コンサート用のグランドピアノ「SK-EX」の音を、打源点に近いハンマー音も含めて様々な位置(マルチチャンネル)でサンプリング。さらに88鍵それぞれの響きの違いを再現する“共鳴モデリング”を通じて、グランドピアノに迫る豊かな響きを出せるという。

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音質モードは2種類ある
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スマホのような操作方法を実現するタッチパネル

 上位のCA98/78は鍵盤の左わきにタッチ対応液晶ディスプレーを備え、スマホアプリのGUIのような直感的な操作で、音質モードを含めた、各種設定を変えられる。CA48は液晶ディスプレーを持たないが、視覚や音声でも操作を確認できるようにしている。

 グランドフィールアクションと呼ぶ、シーソー式の木製鍵盤を採用。タッチの良さにこだわった製品となる。

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CA98とCA78の鍵盤機構
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CA48の鍵盤機構

 発表会のゲストに招かれた、ピアニストの圓谷綾乃氏は、「音の表情が豊かで弾いていて飽きない」「(本物のピアノと同様に)近くで音が鳴っている感じがしない」「乱暴なタッチで弾けば、乱暴な感じも出す」など、弾き方によってさまざまな表情を見せる、表現力の多彩さを賞賛。「レッスンをし始めの、子供の耳を養うのにも非常にいいピアノではないか」とコメントした。

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CA98とCA48の両方で、演奏を披露してくれた
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圓谷綾乃さん
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CA98(右)、CA78(左)
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 各モデルの仕様の違いは画像を参照してほしい。

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