社員による現金詐取を知らせる封書を全国の契約者に送ったのは、発覚してから約5カ月後だった Photo by Masaki Nakamura

 ソニー生命保険が揺れている。事の発端は今年4月。高松支社の社員が個人年金保険などの契約を装い、顧客などから現金をだまし取っていたことが発覚したためだ。

 ライフプランナーと呼ぶフルコミッションの営業社員を約5000人も抱える中、一社員の不祥事として事態が収束しなかったのは、合計で1億3521万円という被害金額の大きさだけではない。

 事後対応をはじめとして、ソニー生命の残念過ぎる企業体質と、お粗末な内部管理体制が浮き彫りになってしまったからだ。

 まず首をひねりたくなるのが、同社が社内調査を始めた4月から同社員が自主退職した5月末までの間、本人を出社させていたこと。

「本人からヒアリングするため」と説明するが、証拠隠滅などの恐れがあるため、顧客への不正行為が疑われる場合は、社外でヒアリングを行い、本人は出社させないのが鉄則だ。さらに関係者によれば、同社員は不正発覚後も「部下に指示をするなど一部業務をしていたことがある」といい、会社側の説明と食い違っている。

 また、被害は同社の顧客以外にも及んでいるほか、架空の保険契約の配当金原資を捻出しようとして、複数の知人から多額の借金をしていたことも判明している。そのため、今回の詐取事案に関わる被害金額は、今後さらに膨らむ可能性があるのだ。