ネットショップの成功のカギを握るのがリピーターの存在だ。そのため多くのECサイトでは、ポイント付与やクーポン特典、顧客フォローなどによって、リピーターを増やそうとしている。定期購入に強い通販管理システム「たまごカートPlus」を提供するTEMONA代表取締役の佐川隼人氏に、リピーター顧客を増やす効果的な仕組みについて聞いた。

リピート率を高める
定期購入の魅力とは

――リピーター顧客をつくる方法と強みを教えてください 

TEMONA株式会社
代表取締役
佐川隼人(さがわはやと)氏

佐川:ECの販売戦略は、店舗の品揃えを充実させることで売り上げを上げようとするやり方が一般的でした。いわゆるロングテールです。しかし新規顧客獲得のためには広告を出し続けなければなりません。結果、CPO(注文を1件獲得するためにかかった費用)は上がるばかりでした。

 次第に広告費の費用対効果が悪くなるなか、見直されているのが既存顧客の価値です。既存顧客をリピートさせることができれば、その費用対効果は飛躍的に向上します。今やリピートの率アップが、ECサイトの成功を左右するといっても過言ではありません。

 ではどうやってリピート率を上げればよいのか。いちばんの近道は、お客様を定期購入コースに誘導することです。そのためには、割引率アップ、送料無料など、さまざまな特典を付けることによって誘導を行います。

 重要なのは、そこで獲得したお客様にお店のファンとなってもらい、できるだけ長く買い続けもらうこと。電子メールやDMを活用して、顧客との関係性を築いていくことが必須です。

 定期購入が優れている点は、毎月の固定売上が見込めるため、安定したショップ運営が行いやすくなることです。また、一度お店のファンとなったお客様は簡単には離れません。今年3月の震災後にはあらゆる業種で買い控えが起こり、EC市場も例外ではありませんでした。そんななかでも変わらず元気だったのが定期購入です。お客様との強い信頼関係があるため、不況などの外的要因にも左右されにくい強さがあります。