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システム開発を「コンテスト」に変えれば
高い技術を素早く手に入れられる

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]
【第73回】 2017年10月13日
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すでに世界で実績を挙げる
開発コミュニティ

 世界中から腕に覚えのある技術者が参加し競うこともあって、IBM、Hewlett Packard Enterpriseなどのテクノロジベンダーをはじめ、GEやOTISなどのユーザー企業を含む多数の企業がTopcoderを活用している。米NASAが、人工衛星の太陽光パネルの最も効率の良い駆動アルゴリズムを開発する際に活用したことでも知られる。

 日本市場では、2014年からサービス提供を開始しており、いくつかのSIベンダーのプロジェクトで採用されたほか、不動産サイトのHOME'Sを運営するネクスト(現LIFULL)では、スマートフォン用アプリケーションを、開発工程の全てにTopcoderを活用して開発したとされる。

 またソフトバンクは、2017年3月にブロックチェーン技術を活用したサービスアイデアに関する3回にわたるコンテストシリーズをTopcoder上で開催した。このように、自社でアイデアソン/ハッカソンを開催する際に、そのプラットフォームとしてTopcoderを活用することも可能である。

 日本国内のユーザー企業には、デベロッパーやデータ・サイエンティストが不足しており、自社で採用し育成する余力もないという企業が少なくない。今後、SoE案件が増加することが予想されることから、ソーシング戦略の1つの選択肢としてTopcoderのようなクラウドソーシング型の技術者コミュニティを活用することを検討すべきである。そのためには、こうした新たな外部リソースをうまく使いこなす人材を確保・育成することが求められる。

 また、ユーザー企業がこれらを直接利用するだけでなく、SIベンダーを介して活用する方法も考えられる。企業は、まずシステム開発を発注するSIベンダーに対してより柔軟な契約形態や機動的な開発プロセスを求めることが求められる。そしてその委託先に、開発リソースとしてクラウドソーシングやクラウドソーシング型の技術者コミュニティの活用を促すことも有効なアプローチといえる。

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内山悟志
[ITR会長/エグゼクティブ・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。2019年2月より現職。


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日々進化するIT技術をどうやって経営にいかしていくか。この課題を、独立系ITアナリストが事例を交えて再検証する。クラウド、セキュリティ、仮想化、ビッグデータ、デジタルマーケティング、グローバル業務基盤…。毎回テーマを決め、技術視点でなく経営者の視点で解き明かす。

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