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グローバル競争を勝ち抜く組織人材戦略

AI時代に求められる人材の要件

大西 俊介
【第2回】 2017年10月17日
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テクノロジー起点での事業創造

 社内の業務プロセスはあらかたシステム化され、新たな事業を立ち上げ、拡大していくためにITが活用されることになり、既存のやり方に拘泥するよりも、膨大なデータな分析し、傾向や関連性を読み取りながら、新たなビジネスモデルを考えることが必要になったのです。そしてモビリティやオムニチャネル、次世代のプラットフォームテクノロジーの実行可能性を理解し、ビジネスをデザインすることが求められるようになってきているのです。UBERなどはその典型的な一例です。

 言い切ってしまえば、戦略→業務→ITではなく戦略→業務←ITという順序性になりつつあります。

 カタログ的ではなく、実経験に基づくテクノロジーの深い知識を有していること、またはデータを読み取り、方向性のオプションを導出できる分析能力を有していること、このよう要件が今からの時代に求められる人材要件の重要なポイントになっています。

 社会科学優位の時代は終わったと思います。

「STEM人材」ではなく
ハイブリッド人材が求められる

 バラク・オバマ前アメリカ合衆国大統領は教育問題に大きな関心を持っていましたが、この柱となったのは「STEM教育」です。STEMとはS:Science(科学)、T:Technology(技術)、E:Engineering(工学)、M:Mathematics(数学)の略になります。

 オバマ氏は職業訓練に重きを置いた2年制の高等教育機関「コミュニティカレッジ」で数学と科学の教育を強化しようとしました。その具体的な目標内容には以下のようなことが挙げられています。

●2020年までに初等、中等教育の優れたSTEM分野の教師を10万人養成
●初年次から高校卒業までの間でSTEM分野の経験を持つ若者を毎年50パーセント増加させる
●今後10年間でSTEM分野の大学卒業生を100万人増加させる
●大学卒業生にSTEMの専門知識や応用研究を学ぶ訓練制度を提供する 等

 これらの目標を達成させるために、年間30億ドルの予算が投じられています。

 STEM人材育成に向けて具体的な取り組みを行っているわけではないのですが、国民性や国の成り立ちからして、すでに、数学や理系に強い人材育成が定着している国がインドです。

 テクノロジーが牽引するトランスフォーメーションのキーとなるのは、このような数学や化学をベースとするSTEM人材ではないかと言われています。

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大西 俊介
[インフォシスリミテッド 日本代表]

おおにし・しゅんすけ/1986年、一橋大学経済学部卒業後、同年日本電信電話株式会社に入社、株式会社NTTデータ、外資系コンサルティング会社等を経て、2013年6月より、株式会社NTTデータ グローバルソリューションズの代表取締役に就任。通信・ITサービス、製造業界を中心に、海外ビジネス再編、クロスボーダーな経営統合、経営レベルのグローバルプログラムの解決等、グローバル企業や日本企業の経営戦略や多文化・多言語の環境下での経営課題解決について、数多くのコンサルティング・プロジェクトを手掛ける。NTTデータグループの日本におけるSAP事業のコアカンパニーの代表として、事業拡大に貢献した。SAP2017年1月1日、インフォシスリミテッド日本代表に就任。著書に「グローバル競争を勝ち抜くプラットフォーム戦略」(幻冬舎)等がある。

グローバル競争を勝ち抜く組織人材戦略

グローバル化とその揺り戻しともいえる保護主義が錯綜する世界のビジネス環境。そこで生き残る企業の条件を、外資系IT企業日本代表の立場で論考する。

「グローバル競争を勝ち抜く組織人材戦略」

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