[11日 ロイター] - スペイン・カタルーニャ自治州が10日、独立の権利を主張する一方、中央政府との協議を可能にするため、正式な独立宣言は延期すると発表したことで、スペイン政府との間のこう着状態は新たな局面に突入した。

現在の政治的危機は今後、いくつかの展開が考えられる。

●政府の対応

スペインのラホイ首相は、独立宣言への対応を協議するため、11日に緊急閣僚会議を招集。10日夜には、最大野党である社会労働党のサンチェス党首と会談した。

首相は、地方政府を解散し選挙を行うという憲法の「非常手段」条項を発動することもできる。

この手段は実際に使用されたことはない。発動するためには、スペイン政府はカタルーニャのプチデモン州首相に独立運動を断念するよう説得するかどうか、議会採決を行う可能性がある。

ラホイ首相は、現地時間午後4時(日本時間午後11時)に臨時議会で演説を行う予定だが、独立運動を厳しく弾圧するかどうかにかかわらず、批判は避けられそうにない。

もう1つの可能性は司法の介入で、検察官がプチデモン州首相や他の政治家に対し、証言を求めることだ。

●対話

スペイン政府とカタルーニャ自治州政府が純粋な対話だけでこう着状態を解消できる見込みは、依然として非常に低い。

プチデモン州首相と他の自治州議員らは10日、カタルーニャの「完全な主権」を主張する文書に署名したが、法的効力があるかどうかは不明だ。

州首相は、中央政府と対話する時間を持つため正式な独立宣言は延期すると述べたが、中央政府は即座に、対話は「法律で認められている範囲内」で行うべきとし、州知事には協議を求める権利はないと主張した。

他方、独立に賛成する急進左派政党の民衆統一候補(CUP)は、ボールは中央政府のコートにあるとし、ラホイ首相が第一歩を踏み出すべきだと述べた。

●正式な独立宣言

10日の宣言は州議会が正式に承認したものではないため、ほぼ象徴的なものに過ぎない。

政党の規模に比して影響力の強いCUPは、カタルーニャの法律に従い、州議会にかけるべきだと主張している。現時点では州政府を引き続き支持しているものの、中央政府との協議には1カ月の期限を設けたとした。

協議が不調に終われば、CUPおよびもう1つの独立賛成派政党である「ジュンツ・ペル・シ」(カタルーニャ語で「一緒にイエス」)は、州議会に対し正式な独立宣言をするよう求める見通しだ。

正式な宣言はスペインの憲法裁により即座に差し止められるとみられ、中央政府は危機に対する法的、政治的な対応を進めざるを得なくなる。

●地方選挙

中央政府との協議が実施されず、独立宣言が州議会で採決にかけられない場合、CUPは州政府の支持を取りやめ、地方選挙の引き金となる可能性がある。

プチデモン州首相自身が立場を強化するために選挙を行うことも考えられる。中央政府も、州首相やカタルーニャ州当局が州議会で正式な独立宣言を行おうとするなど行き過ぎがみられると判断した場合には、地方選を行う場合がある。

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