[16日 ロイター] - <為替> ドルがやや上昇。この日は主要な米経済指標の発表がなく、前週13日発表の9月の米消費者物価指数(CPI)を受けた下落に対する調整が入った。

9月の米CPI統計では物価がなお抑制されていることが示され、ドルは13日の取引で約2週間ぶりの水準に下落。これに先立つ11日に米連邦準備理事会(FRB)が公表した9月19─20日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、インフレ率の上昇見通し、およびインフレ率が上昇しない場合の金利の道筋を巡り踏み込んだ討議が行われたことが明らかになっていた。

TD証券(トロント)の北米外為戦略部門責任者、マーク・マコーミック氏は、多くのマイナスのニュースが織り込まれたとし、「ポジション調整の動きが出ており、向こう1─2日間は続くとみられる」と指摘。その後は米国の低調な見通しに市場の注目が移る可能性があるとの見方を示した。

この日の取引で主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.22%上昇の93.287。前週13日はCPI統計発表直後に92.75と、9月26日以来の水準に低下していた。

<債券> 2年債利回りが2008年11月以来の水準に上昇した。

FRBの次期議長人事で、トランプ大統領がタカ派色が濃いとされるジョン・テイラー・スタンフォード大学教授に好印象を抱いたとブルームバーグが報道、利上げペースの加速観測が広がった。

イエレンFRB議長が先週末、米経済が堅調で、段階的な利上げ継続が必要と指摘したことも材料視された。

政策金利期待の影響を最も受けやすいとされる2年債利回り<US2YT=RR>は一時、1.546%に上昇した。

ブルームバーグによると、トランプ氏は先週、ホワイトハウスで会談した際、テイラー氏に好印象を抱いたという。

この報道を受け、大方の米国債利回りが取引時間中の高水準を付けた。

2─5年債利回りが上昇、より長期の債券利回りを上回るペースとなり、利回り曲線がフラット化した。

10年債<US10YT=RR>価格は5/32安。利回りは2.300%。

<株式> 続伸。主要3指数がいずれも終値での最高値を更新し、ダウ工業株30種は2万3000ドルまで50ポイントを切った。金融株が前週の安値から回復したほか、一連の決算発表を控えた買いも入った。

米国債利回りの上昇を受けて銀行株が買われ、JPモルガン・チェース<JPM.N>が2.1%高、バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)<BAC.N>が1.6%高で上げを主導。S&P金融指数<.SPSY>は4営業日ぶりのプラスとなった。

ネットフリックス<NFLX.O>は1.6%高で通常取引を終了し、引け後の決算発表を受けてさらに2%前後上昇している。

アップル<AAPL.O>はアナリストによる強気の投資判断を好感して1.8%高となった。

<金先物> 利益確定の売りなどに押され小反落。下落は3営業日ぶり。中心限月1 2月物の清算値は前週末比1.60ドル(0.12%)安の1オンス=1303.00ド ルとなった。

この日の金相場は朝方までは堅調に推移。トランプ米大統領は13日、2015年のイラン核合意について「イランが合意を順守しているとは認めない」と表明。中東地域の地政学的リスクが一段と高まっていることに加え、北朝鮮情勢を巡る懸念なども依然くすぶっていることから、安全資産とされる金に買いが入りやすかった。

ただ、その後は利益確定の売りや持ち高調整の売りなどが出たことから、金相場はマイナス圏に転落。また、米株高などを背景に投資家のリスク選好意欲が高まったことも、相場を下押しする要因となった。

<米原油先物> 中東情勢を巡る地政学的リスクの高まりを背景に買われ、続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月11月物の清算値は前週末比0.42ドル(0.82%)高の1バレル=51.87ドルだった。12月物は0.41ドル高の52.14ドルとなった。

イラク中央政府は16日未明、クルド自治政府が実効支配している産油都市キルクークに進軍を開始。キルクークはイラク屈指の油田都市であるため、中央政府とクルド自治政府による交戦で原油の供給が滞るのではないかとの懸念が広がった。

また、トランプ米大統領が前週末、2015年のイラン核合意は国益に見合っておらず、「イランが合意を順守しているとは認めない」と表明。米国とイランの対立が深まる可能性が出ており、地政学的リスクが高まっていることも原油買いを後押しした。

ただイラク中央政府は、政府軍がキルクーク油田で生産を行っている国営石油会社ノース・オイル・カンパニー(NOC)を管理下に置いており、同油田での生産は直ちに再開されたと表明。一方、クルド自治政府も原油輸出は引き続きパイプラインを通じて行われており、それを停止する措置は講じていないと明言したことから、供給不安が幾分和らぎ、昼前にかけて上げ幅を縮小した。また、外国為替市場でドルがユーロに対して強含みに推移していることもドル建てで取引される原油などの商品の割高感につながり、この日の上値を抑えた面もあった。

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