佰宜杰/Buy-J.com(バイジェイドットコム)は、2009年にオープンした銀聯(ぎんれん)カード(※1)での決済が可能な中国人向けECショッピングモール。こうした海外のEC市場に参入を目指す日本企業も多いが、敷居はまだまだ高いようだ。そこで、中国市場への窓口となり、出店企業を強力にサポートするのがSBIベリトランスだ。そのシステムと中国EC市場の現状を、同社事業開発部の黄 美香氏に聞いた。

中国銀聯をパートナーに
安心決済

――御社のEC事業と「佰宜杰ドットコム」について教えてください。

SBIベリトランス
事業開発部
黄 美香(こうみか)氏

黄:弊社は、日本ではすでに4000社以上の実績がある決済代行会社です。中国のEC事情を知る人材と中国銀聯(※2)という強力なパートナーを得て、日本企業の中国EC市場参入を支援しています。

 訪日中国人のほとんどが持つ銀聯カード。銀聯カードを利用して店舗で買い物するように、日本の商品をネットでも買えるようにしよう、という発想で、2009年にオープンしたのが「佰宜杰(バイジェイ)ドットコム」という中国人向けのショッピングモールです。現在、店舗数は40店舗、準備中を含めると50店舗くらいになります。

――銀聯カードを使うことによる出店者側のメリットとは何ですか?

黄:銀行でも採用されているセキュリティの高さに加え、佰宜杰ドットコムで使えるカードはデビッドカード。ユーザーがモール上で決済をすると、口座残高から瞬時に引き落としされるため、費用を回収できないというリスクがないことがいちばん大きいでしょう。

※1 銀聯(ぎんれん)カード:中国の銀行が発行するキャッシュカードに付与されたブランド。すでに中国国内では約20億枚発行されており、来日するほとんどの中国人が所持している。ATMネットワークでの利用だけでなく、小売店や飲食店等で主にデビットカードとしても利用されている。2005年、三井住友カードとの提携により日本での銀聯カードの利用が開始。現在利用可能国は世界68カ国。

※2 中国銀聯(ちゅうごくぎんれん):2002年に中国の中央銀行である中国人民銀行が中心となり、政府主導で設立された中国での銀行間決済ネットワーク運営会社。中国国内でカード発行している銀行はすべて中国銀聯に加盟。国内・海外合わせて200以上の金融機関が銀聯ネットワークに参加している。