[ワシントン 17日 ロイター] - 米財務省は17日、半期に一度の為替報告書を公表し、この中で中国の「為替操作国」認定を見送った。ただ、中国の経済政策については引き続き批判的な見解を示した。

報告書は、2017年上期に為替操作国の基準に合致した主要な貿易相手国はなかったとした上で、中国、ドイツ、日本、韓国、スイスを4月の前回報告から引き続き「監視リスト」に入れた。台湾については為替介入の規模を縮小したとして、監視リストから外した。

財務省は報告書で、中国の対米貿易黒字の縮小が進んでいないことを引き続き懸念していると指摘。「中国は輸入品やサービスへの市場アクセスを限定するさまざまな政策を追求し続けている」とした。

米国の8月の対中貿易赤字は349億ドルと、約2年ぶりの高水準だった。

報告書では前回と同様、中国当局の過去の元安政策を批判する一方、急激な元安を防ぐための最近の取り組みは米国を含めた世界経済への悪影響を阻止するのにも役立っている可能性があると指摘した。

「無秩序な通貨の下落は米国、中国および世界経済に悪影響を及ぼしていただろう」とした。

人民元の対ドル相場は昨年までの3年間で12%超下落したが、今年に入って5%近く上昇。為替報告書の公表後に中国本土の外為取引はまだ開始していないが、オフショア市場の人民元<CNH=>は対ドルで動意薄となっている。

ト ランプ大統領は大統領選の期間中、就任初日に中国を為替操作国に認定すると主張していたが、実際に就任した後は態度を軟化させ、北朝鮮の核開発問題を巡り中国に協力を求めている。大統領は11月に中国を訪問し、習近平国家主席と会談する予定だ。

為替アナリストは総じて、北朝鮮を巡る緊張が続く中、トランプ政権が為替問題で強硬姿勢を取るとは見込んでいなかった。

米ワールドワイド・マーケッツの首席市場ストラテジスト、ジョゼフ・トレビサニ氏は「北朝鮮問題で中国から最大限の協力を引き出す必要性があるため、中国を為替操作国と認定することは好ましくないだろう」と指摘。また、過去1年半にわたり中国は為替操作国の基準を満たさなかったと説明した。

財務省は、オバマ前政権が昨年制定した法律に基づく、為替操作認定の3つの基準を変更しなかった。

認定基準は、対米貿易黒字が200億ドル以上、経常黒字が国内総生産(GDP)比3%以上、12カ月間の為替介入総額がGDP比2%以上の3つ。

財務省は今回、これら3つの基準をすべて満たした貿易相手国はなかったと説明。2つの基準を満たす、あるいは対米貿易黒字が過度に大きい国は監視リストに入るとした。

*内容を追加します。