引きこもり当事者が書いた「人生を諦める前に読む本」の中身生きづらさを抱えた人たちの悩みを解決するための本が、この度引きこもり当事者によって出版される。人生を諦める前に一度は読みたい本の「中身」とは?(写真はイメージです)

引きこもりから抜け出したい!
当事者による「生まれ変わり」の本

 今の苦しい生き方を変えるには、どうすればいいのか――。

 こんな生きづらさを抱えた一般の人たちにも共通する『ひきこもりで苦しんでいる人が人生を諦める前に一度は読んでみる本』というタイトルの本が、10月20日、引きこもり当事者グループの献金によって出版される。

 この本は、引きこもり状態の真っ最中にある当事者が、回復の原理につながるための動機づけのような内容になっている。また、当事者にしか書けない弱者目線による、一般のビギナー向けにわかりやすく書かれた回復本であり、家族へのメッセージも盛り込まれている。

 同書を出版するのは、「引きこもりからよくなりたい」「抜け出したい」「社会生活を再開したい」という人たちのための自助グループである「ひきこもりアノニマス」(以下、HA)。著者は、自らも引きこもり経験者(現在は会社員兼カウンセラー)であり、昨年末、同じHAから引きこもり版回復テキスト『ひきこもりアノニマスの12ステップ』を出版したhideさん(ペンネーム/40歳)で、テキスト同様にHAグループが編集した。

 前回のテキストは、アルコール依存症回復の12ステップとして世界中で回復者を生み出してきたプログラムをアメリカから輸入し、忠実に「引きこもり」に当てはめたもので、評判も良かったという。ただ、あくまでもミーティングに参加している人向けの独特なルールや、スピリチュアルを用いる回復プログラム(ステップ)だったため、一般の人が1人で実践するには馴染まないだろうことも推測できた。

<いまだに弱者を金儲けに利用するような偽支援団体が捕まるニュースが流れてくる。私自身は、自分なりに回復・支援活動を続けても、生活環境は一向に豊かにならず、自分の社会に対する力のなさに肩を落とし、ひたすら真面目に安月給の会社に足を運びながら、回復活動を続ける毎日でした>