[東京 18日 ロイター] - 日経平均株価<.N225>が12営業日連続上昇となり、2015年5月15日─6月1日につけた「アベノミクス相場」の最長記録に並んだ。高度経済成長が始まった当時の14連騰に接近しているが、背景には世界的な株高傾向の下で、企業業績の拡大期待や衆院選での与党勝利を織り込み、海外投資家が買い越しに転じていることがある。ただ、過熱感もあり、短期的な株価調整への警戒感もある。

<決算発表に高まる期待>

連騰中の個別株の騰落率をみると、日経平均を構成する225銘柄うち、上昇率トップは住友金属鉱山<5713.T>の14.4%。堅調な商品市況に伴う業績期待が買い材料になったという。今週末から始まる9月中間期の企業決算発表への期待が、日経平均押し上げの一因となっている。

同期間では、外資系証券会社による投資判断・目標株価の引き上げが相次いだアドバンテスト<6857.T>や、安川電機<6506.T>など省力化投資関連銘柄、値上げによる収益改善期待が広がったアサヒ<2502.T>などビール大手などの上昇が目立っている。堅調な業績見通しを発表したJ.フロント リテイリング<3086.T>など小売大手も高い。

日本アジア証券のエクイティ・ストラテジスト、清水三津雄氏は、決算発表が予想通り好調なら、さらなる株高もあり得るとみる。「日経平均のEPS(1株利益)が1470円程度に上昇すれば、13年以降の平均PER(株価収益率)の15.5倍でみて2万2785円と試算できる。決算の内容次第では、2万3000円程度までの上昇も見込める」という。

<海外勢が買い越し転換>

需給面では、海外投資家の買いが押し上げ要因だ。10月第1週(10月2─6日)の海外投資家による日本株の買い越し額(現物・先物合計)は1兆1148億円。特に現物は6575億円の買い越しで、2年5カ月ぶりの大きさとなった。

今年は海外勢の売り越し基調が続いていたが、解散、総選挙観測が強まって以降、様相が一変。現物と先物を合わせて年初来累計で6343億円の買い越しに転じている。「米株や一部の新興国株などが最高値を更新するなか、日本株にもグローバル投資家の買いが入ってきている」(米系投信のバリュー株担当者)という。

ただ、予想PER(株価収益率)などからみれば、日本株に割高サインは出てないものの、テクニカル的には短期的な過熱感も強まってきている。短期のRSI(相対力指数)は90%を超える「買われ過ぎ」圏内で推移。騰落レシオ(東証1部、25日平均)は128%台と高水準だ。

アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパン取締役の寺尾和之氏は「好業績を先取りして日本株は上昇した。衆院選の与党勝利も織り込んでいる。短期的に上昇しすぎた分、今後は売りが出やすい環境になっていく」と分析。「中国共産党大会後の世界景気の動向は見極めが必要。米債務上限問題や北朝鮮リスクがあらためて取り沙汰されれば、それを口実に調整する展開が考えられる」と話す。

<TOPIXは伸び悩み>

TOPIX<.TOPX>と比べても、日経平均の突出ぶりが目立つ。日経平均が12営業日で4.9%の上昇となったのに対し、TOPIXは3.0%止まり。日経平均をTOPIXで割ったNT倍率<.NTIDX>は3カ月ぶりの高水準となっている。

連騰中、日経平均に対する寄与度の高いファーストリテイリング<9983.T>が9.9%高。ファナック<6954.T>が10.0%高、ソフトバンクグループ<9984.T>が8.2%高と上昇を主導。一方、TOPIX寄与度の大きい銀行株は、米長期金利の伸び悩みを背景に上値が重く、東証の銀行業指数<.IBNKS.T>は1.2%高にとどまった。

岡三証券・日本株式戦略グループ長の小川佳紀氏は「NTショート(日経平均売り・TOPIX買い)ポジションのアンワインドが起きたとみられ、若干いびつな上昇となったが、前週末のオプションSQ(特別清算指数)通過で、アンワインドが一巡した可能性がある」と指摘。NT倍率が下落に転じれば、日経平均も上昇一服になると予想する。

日経平均の連騰記録の最長は、1960年12月21日─61年1月11日の14連騰。その直前に池田勇人首相(当時)の下で行われた衆院選で自民党が圧勝。高度経済成長のファンファーレが高らかに鳴り響いていた。

衆院選の投開票日後の今月23日まで上昇が続けば新記録となるが、自民勝利を織り込んで上昇してきただけに「材料出尽くし」となる可能性もある。

日経平均が1%下落した場合に2%値上がりするように運用するETF(上場投資信託)「NF日経平均ダブルインバース」<1357.T>の純資産総額は、設定来で最高の水準に積み上がっている。

(長田善行、平田紀之 編集:田巻一彦)