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山崎元のマネー経済の歩き方

「塩漬け」にムダなお金を払うな

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第200回】 2011年10月31日
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 ある知人に「ブラジルレアルはどこまで戻るでしょうか?」と質問された。なぜレアルが気になるのかと聞くと、お母様が通貨選択型の投資信託のブラジルレアル・コースで、ここのところ損をしているからだという。

 投信運用会社のホームページでブラジルレアル・コースがある通貨選択型投信の基準価額を見ると、7、8、9月の3ヵ月で大きく下落していて、2~3割下がったものも珍しくない。長期間投資している人の場合、多額の分配金を受け取っているので、まだ通算では損をしていないかもしれないが、ブラジルレアル関連のファンドは、5、6、7月に多額に販売されており、現在、損をしている投資家が少なくないと推測される。

 投資家が損をしているときに「ほら、その商品はダメでしょう」と言うのは、結果論でもあり気の進まない話だが、損をしたときでないと「リスク」や「コスト」の話に耳を傾けてくれないことが多いので、時には話題にしたい。

 ドル安・ユーロ安が顕著に進んだ4月から6月にかけて、顧客に、欧州や米国の債券の組み入れが多いファンドを売らせて、ブラジルレアルや豪ドルのリスクを取る商品を買わせる営業を行った金融機関が結構あった。この手合いの販売現場では、その後のレアル関連商品の価格下落を見て「投信販売は動きようがない」と嘆いているようだ。こうした「乗り換え営業」は、かつては証券会社の専売特許だったが、最近では銀行もやるので油断できない。

 じつは、冒頭の知人のお母様は、退職金の大半を大手信託銀行に勧められて、毎月分配型のブラジルレアル・コースに投資して、数百万円の損が出ているとのことだった。彼女は、子どもに指摘されるまで、分配金だけを見ていて、損を認識していなかったという。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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12社を渡り歩いた資産運用の現場に一貫して携わってきた視点から、「資産運用」の方法をどう考えるべきか懇切丁寧に説く。投資家にもわかりやすい投資の考え方を伝授。

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