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吉田恒のデータが語る為替の法則

ドル/円がついに反転し、11月は大相場!?
10月末終値が77.10円を上回るかがカギ

吉田 恒
【第161回】 2011年10月31日
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 予想どおり、EU(欧州連合)サミットを前後して市場に楽観論が広がり、リスク資産の上昇と安全資産の下落が加速してきました。「安全通貨」とされる円は、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)では大幅な下落(円安)となっています。

 ただ、米ドル/円だけは異なり、まるで棒高跳びの世界記録更新のように、毎日数銭ずつ、米ドル安・円高の記録を更新しています。

 しかし、その米ドル/円も「安全資産」である円の下落の例外ではなくなり、米ドル高・円安へと反転する兆しはなくもないと見ています。

米金利の上昇とともに、リスクオン相場がまだ続く可能性

 注目されたEUサミット(23日)は期待はずれで、「不合格」の結果にとどまったようです。それにもかかわらず、リスク回避は再燃していません。

 それならば、リスク回避がいったん限界に達したことが最終確認され、修正圧力、リスク資産の上昇、安全資産の下落が加速する可能性もあるのではないでしょうか?

 また、そのようなリスク選好局面での安全資産や円の上昇は不自然であり、円安・米ドル高へ反転する可能性もあるのではないでしょうか?

 以上は、前回のコラムの冒頭で申し上げたことですが、10月26日(水)に再度開かれたEUサミットを受け、まったくそのような展開となってきました(「なぜ、ドル/円では『有事の米ドル買い』の逆流が起こらないと言えるのか?」を参照)。

 まだそのとおりになっていないのは「円安・米ドル高への反転の可能性」といった点ですが、それも、これから起こるかもしれないと思っていることを、後ほどご説明いたします。

 いずれにしても、悲観論から楽観論への転換に弾みがつき、「リスク資産上昇、安全資産下落が加速する可能性がある」と私が考えた最大の根拠は、さすがに悲観論も行き過ぎの限界に達し、修正が不可避になっているとの判断でした。

 その上で起こる楽観論、リスク回帰、「リスクオン」のシナリオとして私が参考にしたのは、米国金利についての「資料1」でした。

資料1

 

 過去の行き過ぎた悲観論の修正で起こった金利上昇を参考にすると、今回も似たような金利上昇となるならば、金利上昇はまさに、このEUサミット前後のタイミングで急加速し、一気に楽観論が急拡大すると予想されたわけです。そして、まったくそのとおりになったのです。

 あらためて「資料1」を見てみると、これまでの展開はかなり似ていると思います。空前の下がり過ぎの修正で起こった金利上昇は、本当に、本当に、似たようなパターンで展開するものです。

 そして注目されるのは、ここまで似てきたのだから、この先も似た展開が続くならば、米国金利の上昇はまだ終わっていないということです。つまり、米国の長期金利(10年債の金利)は11月中旬にかけて、3%に急接近するという見通しになります。

 本当に米国の長期金利が3%に接近するような展開となるならば、それはリスク資産上昇、すなわち、リスクオン相場がまだ続くという見通しになるでしょう。

米金利上昇が続けば、米ドル/円が反転する可能性もある

 この間のリスク資産上昇の展開の中で、「安全資産」である円は、クロス円では大幅に下落しました。豪ドル/円は72円から80円を大きく超えており、ユーロ/円は100円割れ目前から108円まで急反発しています。つまり、大幅な円安となってきました。

 米ドル/円だけでなく、クロス円でも円高が急激に進んだ局面では、外貨運用への絶望論や「FXは売りもできる」といった意見が多く聞かれました。しかし、そのような慰めなんていらないのかもしれません。

 ちゃんと予想どおりに、しかも理屈どおりに楽観相場へと戻り、その中で安全資産の円は下落し、忘れかけていた外貨運用の希望を思い出させてくれつつあると思います。

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吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


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