ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
業界別 半年先の景気を読む

世界の富裕層を虜にする超高級宝飾ブランド
ハリー・ウィンストンに学ぶ「生涯顧客」戦略とは?

小林昇太郎 [船井総合研究所 経営コンサルタント、富裕層ビジネス研究会主宰]
【第89回】 2011年10月31日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

ハリー・ウィンストンは誰もが知るダイヤモンドの最高級ブランド。これまで多くの女優や著名人、そして富裕層を魅了してきた。お客様の心をつかみ、高い信頼を獲得し、それを永く維持する秘訣とは何か。ハリー・ウィンストンのビジネスモデルを知ることは、いま多くの企業が課題としている「お客様と良好な関係を築き上げる」ために必要なことを知るうえで大きなヒントになる。同社へ2005年に入社、2009年に代表取締役社長に就任した濱田眞樹人社長に、これまで歩まれてきたキャリアを踏まえながら、独自のブランド戦略、マーケティング手法を伺った。
(聞き手/船井総合研究所:小林昇太郎、撮影/蛭間勇介)

財務・会計のプロとして監査法人や外資系に勤務
多才なキャリアでハリー・ウィンストンの経営を任される

濱田眞樹人(はまだ・まきと)/ハリー・ウィンストンジャパン株式会社 代表取締役社長。博士(経営管理学)立教大学、米国公認会計士。2005年10月にヴァイス・プレジデント‐アドミニストレーション&ファイナンスとして同社へ入社、2008年にマネージング・ディレクター兼最高執行責任者に就任。2009年より現職。著書に『USCPA集中講義 ビジネス環境および諸概念 第3版』中央経済社 2011/2(単著)他がある。

小林 濱田社長は私にとってビジネススクールの先輩にもあたりますが、今日は財務・会計のプロフェッショナルでもある濱田社長の視点から見たラグジュアリービジネスの現状、またハリー・ウィンストンの成功要因などをお伺いしたいと思っています。まずは簡単にご自身のキャリアについて教えてください。

濱田 そうですね。私は1980年に大学を卒業してから30年以上、監査法人や外資系企業など、会計や財務をコアの専門領域としてキャリアを重ねてきました。ブランド業界では、当時勤めていた監査法人からティファニー・アンド・カンパニー・ジャパンに転職したのが最初のキャリアになります。同社ではファイナンスの副社長をしていました。ハリー・ウィンストンでも同様に、社長になる前はファイナンスの副社長を務めていた時期もあります。

小林 ファイナンスを中心としたお仕事をされてきたとのことで、濱田社長のご経歴を拝見すると、USCPA(米国公認会計士)をはじめとするかなり多くの資格をお持ちでいらっしゃいますね。資格を取得する何かきっかけのようなものはあったのでしょうか?

濱田 外資系、特に米国系企業でビジネスマンとして認められるためには、彼らの国が認める資格を取得するのが一番の近道だと考えたんです。それで、イリノイ州公認会計士(CPA)、公認内部監査人(CIA)、公認管理会計士(CMA)、公認不正検査士(CFE)など、他にもいろいろあるのですが次々と資格を取得しました。こうまでなると、もはや趣味のような感じです(笑)。

小林 趣味が奏功してそのまま現在のキャリアへ結びついているのですね。

濱田 そうかも知れませんね。2005年にハリー・ウィンストンに入社して、それから間もない2007年夏にサブプライム・ローン問題が露呈しました。急激に業績が悪化していくなかで2008年に最高執行責任者となり、翌年から代表取締役社長として日本法人の責任を負っています。リーマン・ショックの時期も含めて2008~2009年の2年間は、組織を効率化して、需要低迷期を乗りきることに努めました。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

小林昇太郎 [船井総合研究所 経営コンサルタント、富裕層ビジネス研究会主宰]


立教大学大学院 経営管理学修了。「日本をはじめ、世界の富裕層ビジネスの今を知ることが富裕層ビジネ スへの参入だけでなく、日本の多くの経営者の抱えている既存・新規ビジネスへの経営課題をも解決する」と考え、2009年4月、富裕層ビジネス研究会を立 ち上げる。研究会には、国内だけでなく東南アジア、香港、中東など海外から研究会への入会も多く、研究会からいくつもの新規事業を立ち上げている。多方面に渡るネットワークを国内外に持ち、それを活用しながら日本とアジアをつなぐビジネスプラットフォーム構築を船井総研の中で手がける。
著書:『ビリオネアビジネスの極意』(KKベストセラーズ)他。

富裕層ビジネス研究会 サイト

アジア進出.com~業種とテーマに精通する船井総研だからこそのアジア進出サポート

 


業界別 半年先の景気を読む

不透明な経済状況が続き、半年先の景気を読むことさえ難しい日本経済。この連載では、様々な業界やテーマで活躍する船井総研の専門コンサルタントが、業界別に分析し、半年先の景況感を予測していきます。

「業界別 半年先の景気を読む」

⇒バックナンバー一覧