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吉田恒のデータが語る為替の法則

ドル/円は78円台後半を維持できれば介入は成功か。
83円を目指す「秋の大相場」も

吉田 恒
【第162回】 2011年11月2日
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 日本政府・日銀は10月31日(月)に、今年8月以来となる円売り介入を行いました。

 このまま、78円台半ばよりも円安・米ドル高の水準を維持できるようならば、ヘッジファンドなどの米ドル買いが急激に拡大する可能性が出てくるでしょう。そうなれば、介入の「勝ち」となるかもしれません。

 似たようになった今年3月の介入後、米ドルは10%上昇しましたが、今回も同じ値動きとなるならば、83円を目指す計算になります。

 はたして、どうでしょうか?

円売り・米ドル買いの介入が成功する条件とは?

 なぜ、そのようなことになるのかと言えば、この78円台半ばには「資料1」のように、ヘッジファンドが重視するとされている120日移動平均線が位置しているからです。

 単純に言えば、ヘッジファンドは、120日移動平均線を米ドルが下回っていると米ドルを売り、それを上回ると米ドル買いに転換すると見られているのです。

資料1

 そのヘッジファンドですが、「資料2」のように、かなり行き過ぎた円買い・米ドル売りに傾斜している可能性があります。

 そのため、120日移動平均線を米ドルが上回ってくると、米ドル売り・円買いが一気に大逆流する可能性があるでしょう。

資料2

 日本政府・日銀は、昨年9月からこれまでに3回の円売り介入を行ってきました。それは昨年9月、今年3月、8月です。

 このうち、介入後に120日移動平均線を米ドルが越えたのは、今年3月だけでした。残る2回は米ドルが反発しても、介入当日でほぼ一巡していたのです。

 しかし、今年3月だけは介入の翌日以降も米ドルは続伸し、結果的に、米ドルは最大10%も反発したのです。

 今回も同様に米ドルが120日移動平均線を突破し、ヘッジファンドによる米ドルの買い戻しが続いて、米ドルが最大10%反発するならば、83円を目指す計算になるのです。はたして、どうでしょうか?

 日本の輸出企業などからの米ドルの戻り売り圧力は強そうで、83円なんて、とても無理なのでしょうか?

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吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


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