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金融市場異論百出

激化するウォール街抗議活動
目指す社会主義経済のモデル

加藤 出 [東短リサーチ取締役]
2011年11月2日
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 米オハイオ州の“配管工ジョー”は、2008年の大統領選でオバマが掲げた富裕層への増税案に反対したことで有名になった。彼は勤務先の会社を買収するつもりだったため、富裕層への増税は困ると主張した。しかし、彼は当時、無免許の配管工であり、勤務先は社員2人という超零細企業だった。誰が見ても、その増税案で彼が不利益を被ることはなさそうだったが、彼は自分が将来ミリオネアになると強固に信じていた(『ポジティブ病の国、アメリカ』B・エーレンライク著)。

 そういった強烈なポジティブシンキングが、経済格差の激しい米国をこれまで支えてきた。だが、景気低迷の長期化に伴ってアメリカンドリームは揺らぎ、ウォール街の高額報酬に対する抗議活動が激しくなっている。

 R・B・ライシュは、近著『余震』で、戦前のFRB議長、M・エクルズの洞察力を称賛している。彼は、大恐慌の原因は富の偏在が激しかったことにあったと述べていた。ひと握りの富裕層の元に膨大な所得が蓄積され、他の階層の購買力は彼らに吸収された。それは大衆消費社会の存続を不可能にしたという。現在の問題にも通じる視点である。

 中国のマスメディアは、連日のようにウォール街のデモの様子を報じている。この問題に対する中国の人びとの関心は高い。所得・資産の格差が激しいという点では、中国は米国と似ているからである。

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加藤 出 [東短リサーチ取締役]

東短リサーチ取締役チーフエコノミスト。1988年4月東京短資(株)入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを 2001年まで兼務。2002年2月より現職。 2002年に米国ニューヨークの大和総研アメリカ、ライトソンICAP(Fedウォッチ・シンクタンク)にて客員研究員。マネーマーケットの現場の視点から各国の金融政策を分析している。2007~2008年度、東京理科大学経営学部非常勤講師。2009年度中央大学商学部兼任講師。著書に「日銀は死んだのか?」(日本経済新聞社、2001年)、「新東京マネーマーケット」(有斐閣、共著、2002年)、「メジャーリーグとだだちゃ豆で読み解く金融市場」(ダイヤモンド社、2004年)、「バーナンキのFRB」(ダイヤモンド社、共著、2006年)。


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