スバル「アイサイト」を進化させる“テストコース30億円改修”の意義Photo:SUBARU

スバルはその優れた走行性能によって国内外に根強いファンを持っているが、近年は「アイサイト」を軸とした高度運転支援技術を武器に販売台数を伸ばしている。同社がアイサイトをさらに進化させるために改修したという、北海道美深町にある美深試験場の模様をレポートする。(ライター・フォトグラファー/雪岡直樹)

スバルの安心技術の屋台骨
「アイサイト」を軸とした高度運転支援技術

 自動車メーカーのテストコースといえば、極秘に開発されている車が走り回っていて、ハンドリングや加速性能、ボディ剛性や雨雪の走行性能、遮音性や燃費性能など多岐にわたるテストが日々繰り返されている――。

 そんなことから、通常は一般に公開はもちろんされないし、工場見学などのルートに入ることもない。雑誌やメディアを招待しての試乗会などではコースを走ることを許されるが、それでも撮影に制限が掛かり、当日乗る車両以外は一切目に触れないように隠されているのが通常だ。それを今回、スバルはメディア向けに広く公開するという。

 スバルは2017年に富士重工業株式会社から株式会社SUBARUへと社名変更を行った。「モノをつくる会社から笑顔をつくる会社へ。」「安心と愉しさ」を標語として変革を進めている。

 安心と愉しさといえば、今のスバルの安心技術の屋台骨となっているのが「アイサイト」を軸とした高度運転支援技術だ。

 1989年の車載用ステレオカメラの開発開始以来、常に試験を繰り返し2010年の「アイサイトVer.2」の世代で、「ぶつからないクルマ?」のキャッチフレーズで登場したレガシィは当時の世の中を驚かせたのは記憶に新しいところだ。