[東京 25日 ロイター] - 政府は、賃上げに積極的な企業を税制面から優遇する「賃上げ促進減税」の延長と強化を検討している。複数の関係筋が明らかにした。デフレ脱却に向け、3%程度の賃上げや教育訓練などの人材投資が必要となるため、一定の引き上げ率以上の賃上げ実施企業に対し、給与増加額の税額控除を従来の10%から拡大する案や、教育訓練費の伸び率に応じた税額控除を検討。年末までにまとめる新たな政策パッケージに盛り込みたいとしている。

13年度から始まった現行の「所得拡大促進税制」では、12年度比で給与総額が一定割合以上増加した企業に対し、税額控除が適用される。大企業は前年度比2%以上という条件も加わる。

同制度は今度末で期限が切れるため、企業からの要望もあり、延長する方向。

さらに、条件緩和や適用範囲の拡大なども追加して検討している。税額控除を10%から拡大する案や、人材投資促進のために教育訓練費増加企業にも控除率を拡大する案が浮上している。また、サービス業など生産性の低い業種などを重点的に拡大する案もある。

大企業について2%以上の賃上げ率という適用条件は、政府内での3%以上の賃上げ率という目標を踏まえれば、「外せない条件」(政府関係者)だという。

経済産業省のまとめによると、同制度は13年度から開始され、徐々に利用企業が拡大。15年度の利用実績は9万0594社、税額控除金額は2774億円。政府の法人税収は減収となる一方、企業は法人実効税率の引き下げにつながっている。

ただ、国内企業は250万社にのぼり、賃上げ条件を満たして申請した企業は4%未満という計算になる。

安倍晋三首相は、年末までに教育無償化などを中心とした2兆円規模の政策パッケージの取りまとめを指示しているが、今回の賃上げ促進税制の財源は、その政策パッケージとは別枠で検討していく方針であると複数の関係筋が述べている。

*内容を追加しました。

(中川泉、編集:田巻一彦)