仕事を忘れる時間を持つことは、仕事の創造性と生産性を上げるうえで有効である。だが、多くの人がその事実に気づいていながら、それを実践できている人は少なくない。帰宅中に明日は何をすべきかを考えたり、自宅でメールを返信したりをしてしまう。本記事では、オンとオフの切り替えを効果的に行う3つの方法が示される。


 あなたがこの前、仕事を離れたのはいつだったか。

 仕事から本当に「離れた」、つまり仕事のことを考えず、心配もせず、「To Doリスト」が頭の中を駆け巡ることもなかったのはいつか、という質問である。

 仕事から離れるのにメリットがあることを、私たちはみな知っている。オフィスで集中力を維持するには、充電する時間が日々必要であることも知っている。複雑な問題から離れる時間があるからこそ、新鮮な視点が手に入ることもわかっている。

 また、何日も連続して長時間働いていると、気がつくと、「フェイクワーク」と私が呼ぶことをしている。すなわち、デスクに向かっていても実際には何の成果を上げていないのだ。

 仕事から離れることのメリットがこれだけあると知っていてもなお、実行に移すのは難しいと感じているのではないか。たとえ夕方まっとうな時間に帰宅したとしても、いつの間にか本日最後の報告書に目を通していないだろうか。数日旅行に出かけても、メールには目を通しているのではないだろうか。朝早く目覚めたとき、あるいは夜寝つけずに横になっているとき、やるべきことの長いリストを思い浮かべて頭の中で仕分けをしているのではないだろうか。仕事で直面している問題の夢を見たことがある人も、私は知っている。

 オフィスを出ても仕事のことを忘れられなければ、仕事を離れることで得られるはずのメリットも手に入らないままだ。仕事や、仕事についての余計な考えを断つうえでは、認知行動療法から得られる教訓と、新しい習慣の併用が有効だ。その方法を以下に紹介しよう。