[香港/パリ 30日 ロイター] - コストの低い中国資金が、世界の航空機リース市場を揺るがしている。30日公表された調査によると、リース会社の資金2610億ドルのうち、中国からの比率は28%と、9年前の5%から上昇している。

過去10年の間に、同業界には中国の銀行や他の投資家からの資金が700億ドル以上流入し、航空会社が保有機を増やす支援をしてきた。ただ、リース市場は新しい重要なアセットクラスとなりつつあり、従来の参加者によるリターンは急速に低下している。

英フライト・アセンド・コンサルタンシーのグローバルコンサルタンシー責任者、ロブ・モリス氏は「直近のサイクル(2003―08年)に、リース料は大幅上昇した。人々が同じ取引に集中したことが一因だ」と指摘した。

中国の航空機市場は世界で最も急速に拡大しており、今週香港で開催された2つの主要会議には1500人の投資家が出席した。

欧州のエアバス<AIR.PA>、米ボーイング<BA.N>による製造が過去最大級になっているほか、一部の航空会社による超過注文で、ジェット旅客機の需要は「バブル」を生んでいるとの専門家からの警告は何年も前からあった。

ただモリス氏は、新規投資家が航空業界に多額の資金を投じる中、供給サイドにも危険な長期的兆候が増えていると指摘した。

フライト・アセンドは、中国の資金は5年以内に、航空機リース業界の3分の1以上を占めるようになると予想。このような投資家の多くは低リターンを受け入れているといい、他の参加者にとっては危険信号になっているとした。さらに「この資金が市場のルールをリセットするなら、新しいルールに適応しなければならない。さもなければ負けるだけだ」と述べた。

だが、経験豊かな市場関係者からは異論もある。市場が下向きになった場合、新規資金はすぐに引き揚げられるとみられ、経験の少ない関係者が不必要なジェット機を再配置するのは難しくなるという。

現時点で市場は上向いているとの兆候が出ているものの、一部の長距離旅客機市場では「乱気流」も発生した。

銀行関係者によると、独エアベルリンや英モナーク航空の破綻は利用者を怒らせたが、需要は高いため、資産は比較的早期に他社に売却された。

金利上昇や、中央銀行による景気刺激策の縮小も試練になるとみられる。刺激策により、多額の資金が航空業界に流れ込んでいたためだ。

モリス氏によると、航空機への投資家は歴史的に2桁のリターンを求めてきたが、現在はその多くが、1桁台半ばから後半での妥協を迫られている。同氏は「いまの低金利環境では容認できるかもしれないが、金利が上昇を始めた場合、リターンも拡大するだろうか。そうはいかないかもしれない」と述べた。