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吉田恒のデータが語る為替の法則

ユーロ反発の影の主役は米国株とECB。
欧州問題に伴うリスク回避は峠を越した!

吉田 恒
【第164回】 2011年11月9日
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 ギリシャ危機が一服したと思っていたら、今度はイタリア危機といった感じで、相変わらず、欧州情勢に一喜一憂する展開が続いています。

 しかし、欧州の債務危機に伴うリスク回避はいったんの峠を越したと私は思っています。それは、次のようなデータを手がかりにしています。

10月初めに米国株が底打ちし、連れてユーロが反発した

 まずは「資料1」で、ユーロ/米ドルと米国株・NYダウのグラフを重ねたものをご覧ください。

 これを見ると、ユーロ/米ドルとNYダウの方向性に一定の相関性があるように見えます。

 その上で、この夏から米国株が急落し、それに追随する形でユーロが急落したようには見えないでしょうか?

資料1

 

 米国株の急落は、米国の景気見通しに対するリセッション(景気後退局面)転落への懸念によるものでした。

 ただ、そこはグローバリゼーションの世界ですから、米国のリセッション転落懸念は、米国にとどまらずに欧州にも伝染するとの思惑が広がりました。そして、欧州の景気悪化や税収減への懸念から、債務不安再燃となりました。

 このように考えると、米国株の急落の後を追う形でユーロが急落しているのも、納得できるところです。

 また、上記のように考えると、10月初めに米国株が底打ちして反発に転じたために、それに連動する形でユーロも反発に転じたと考えれば、やはり理屈の合うところでしょう。

ユーロは1.4ドルを上回っていてもおかしくはない

 否、そうではない、ユーロが反発に転じたから、米国株も底打ちで反転したのだということになるでしょうか?

 ただ、欧州の債務対策に関しては、10月下旬のEU(欧州連合)サミットにかけて緊張状態が続いていました。それにもかかわらず、なぜ、ユーロはいち早く、安値から反発したのでしょうか?

 米国のリセッション転落懸念が後退し、米国株が反発に転じたことは、このように見てくると、EUサミットの結果以上に、ユーロ反発をもたらす効果があったと言えそうです。

 さて、ユーロへの影響力の大きい米国株は、先週こそギリシャ・ショックの再燃で急落しましたが、その後は立ち直っています。

 「資料1」で示した米国株とユーロの相関関係からすると、ユーロは1.4ドルを上回っていてもおかしくはないようです。

 その意味では、最近ユーロは少し「下がり過ぎ」の感じすらあるのではないでしょうか?

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吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


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