[東京 31日 ロイター] - 日銀は31日の金融政策決定会合で短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度とする長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)付き量的・質的金融緩和の維持を賛成多数で決めた。前回会合に引き続き、片岡剛士審議委員が現行政策の維持に反対。より長期の金利を引き下げるため、15年物国債金利が0.2%未満に低下するような国債買い入れが適当とした。記者会見では黒田東彦総裁が後任に求められる資質として「経済理論への理解と国際人脈」を挙げた。

<ETF買い入れ発言で市場に思惑>

同時に公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、物価見通しを2017年度は従来の1.1%から0.8%に大幅に引下げが、18年度は1.5%から1.4%へと小幅に引下げ、目標とする物価2%の到達時期は「19年度ごろ」に据え置いた。

片岡委員は前回9月会合に続き政策の現状維持に反対。理由について「イールドカーブにおける、より長期の金利を引き下げる」観点から、「15年物国債金利が0.2%未満で推移するよう、長期国債の買い入れを行うことが適当」とした。

<緩和長期化責任論で質疑>

会見で黒田総裁は 年間約6兆円の上場投資信託(ETF)買い入れについては「幅のある表現」「買い入れ額は市場状況で変動する」「(6兆円の)目標達成に特定の期間を定めてはいない」などと述べた。 また「ETF買い入れは金融緩和のパッケージの一環」とも述べたが、市場では、 「将来的には切り離して調整する可能性に含みを持たせた」(みずほ証券のチーフマーケットエコノミスト、上野泰也氏)と受け止められた。

米連邦準備理事会(FRB)の利上げ継続が日本の金利にも上昇圧力として作用する可能性から日銀も利上げを検討するとの見方があるが、総裁は「(物価を巡る)ファンダメンタルズの違いから、日本の長期金利を上昇させる必要はない」と言い切った。同時に「物価動向が改善するなかで金利をどうするかは、考慮に値する」と述べ、物価上昇ペースで利上げ議論が俎上に上るとの考えを示した。

大規模緩和が長期化するリスクや、政策運営に対する責任を問われ、「あなたは金融緩和をやらず景気が悪く物価が下がった方がよかったのか」と反論する場面もあった。

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(伊藤純夫 竹本能文 編集:吉瀬邦彦)