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AKB48だけじゃない人気商品の「総選挙」ブーム
カップヌードルやキットカットが消費者の心を掴んだ理由

木村明夫
2011年11月10日
著者・コラム紹介バックナンバー
美味しそうなキットカットがズラリと並んでいる。筆者も食べたことのない商品がたくさんあり、復刻して欲しいものばかりだ。

 「総選挙」と言えば、当然ながら政界で行なわれる選挙である。ところが、今や国民的アイドルグループとなったAKB48がこの言葉を商用利用してから、「総選挙」のイメージがガラリと変わったのは、多くの方が知るところだろう。

 同時にその手法は、CDが売れなくなったと言われる音楽業界の中で、ヒット曲を次々と送り出すことにも繋がった。そうした「総選挙」という商法を上手に利用しながら、顧客が望んでいる商品を送り出している企業がある。日清食品のカップヌードルシリーズがそれだ。

 すでに投票も終わり、開票結果が発表されているが、このカップヌードルシリーズは、1971年から発売されているロングセラー商品である。それゆえ、すでに販売が終了している商品も少なくない。「過去に発売されたカップヌードルが73種類もあったのか」と、今さらながら驚いてしまう。

 日清食品が「歴代カップヌードル復活総選挙 40th Anniversary CUPNOODLE」と称して、総選挙によるシリーズ復活を行なったところ、投票数はなんと約186万通というから、その関心の高さが窺える。

 結果はと言うと、1位は「カップヌードル 天そば」、2位「カップヌードル ブタホタテドリ ローストしょうゆ味」、3位「カップヌードル スパイシーカレー」という順位になった。3位から順次販売されていくということなので、ぜひ食べてみたいものだ。そこには懐かしさを感じる人もいれば、新鮮な味として捉える人も、多くいることだろう。

 次に紹介したいのは、「キットカット」の総選挙。ネスレが製造販売しているお馴染みのチョコレート菓子だ。もともと海外で販売されていたが、1973年に日本でも販売されるようになった。こちらもすでに投票は終了しているが、12月7日に第1位が発表される。

 ちなみに、キットカットもカップヌードル以上に「期間限定品」や「ご当地品」の種類が豊富にある。期間限定品だけでも200種類以上、ご当地品も40種類以上あるのだから凄い。

 このキットカットも、カップヌードル同様、ロングセラー商品だが、今回の総選挙では、過去に販売された19品と未発売商品1品の、計20商品がエントリーされている。新商品は、キットカットココア味。キャッチコピーは、“誰も知らないココアの「キットカット」”。だが、エントリーされている中で、特別目立つような工夫は施されず、平等に扱われているのが“にくい”ところだ。

 10月7日に上位10候補を発表。11月7日には、キットカット「抹茶」「オレンジ」「ストロベリー」「ロイヤルミルクティ味」の上位5位候補が発表された。NO.1フレーバー発表後、12月中旬よりネスレ通販オンラインショップと、楽天市場内のネスレeショップにて、先行発売される予定だ。

 この2つの商品に共通しているのは、今流行の「総選挙」という手法を使いながら、消費者がどんな商品を求めているのかを、商品を買わせずして投票させる点にある。AKBの総選挙のように、商品を買わなければ投票できないなら、カップヌードル復活総選挙で約186万通もの投票が集まっていたかどうかは、わからない。

 商品の購入と関係なく投票させることができ、「消費者が何を求めているのか?」をリサーチして、その期待に応える。こういった「総選挙」ならば、消費者に大いに評価され、賛同を得るだろう。選挙そのものをビジネスにしなくても、投票結果を売れる商品づくりに反映させれば、結果的に大きな売り上げアップにつなげられる可能性は高い。

 「総選挙」手法を用いた商品販売は、実は他にも多数ある。だが、やはり「AKB48」のCD販売と同様の手法なので、ここではあえて触れない。

 復刻商品がこれほどまでに消費者の関心を集めているのは、両社共に消費者に愛され続けてきた商品を開発し、販売してきたことの証拠でもある。今後は新商品を総選挙で決定するなど、新たなアプローチを期待したいところである。

(木村明夫/5時から作家塾(R)


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