「病児の付き添いで病院に24時間缶詰め」は本当に家族の務めか
「病児の付き添いで病院に24時間缶詰め」は本当に家族の務めか本記事はハフポスト日本版からの転載記事です

 子どもが入院したとき、少なくない病院で家族が24時間付き添うよう求められている実態をご存知だろうか。医師の長時間労働が問題になっているが、外出もほとんどできない状態で、子どもにずっと付き添う親たちがたくさんいることは、なぜかずっと、おおやけの「問題」と認識されてこなかった。

見えなかった「問題」

 子どもの付き添いが理由で、一日中病院から一歩も出ず、長いと月単位、年単位で病院で暮らしているような人もいる。子どもに付き添いたいと思っている親ですら、心身ともに体を壊したり、ほかのきょうだいとのつながりが破壊されたりしている。職を失う親もいる。「病気の子どもに付き添うのは家族の務め」という意識が、そうした実態を見えづらくしてきた。

 理不尽だと思って今年8,9月、朝日新聞に書いた記事がある。

(1)乳幼児の入院付き添い、なぜ24時間?(記者の一言)
(2)24時間 親が付き添い?子どもの入院時、苦悩する家族

 この中で

・病棟の中は付き添いがいないかのような作りで、堅い簡易ベッド、もしくは子どもに添い寝。シャワーも短時間、食事もほとんどコンビニ食か外食

・親はほとんど子どもから離れられず、家に残してきた他の子どもたちは病棟に入れないため、会えるのは多くて月に数回。不安定になるきょうだいも

・病院のホームページに「看護は看護師が行うため、付き添いは不要」と書いてあるのに、病院の求めで付き添っている親も。あくまで親の希望によるものと位置づけられ、毎月、付き添いの許可申請を出している。

・子の病状の深刻さに加え、外から一歩も出ることのない環境の中で、心身の健康を損なう親もいる

 ──という実態を紹介した。

 2つの記事には、Twitter上で多くの反響が寄せられた。