英語の実力は、「2次関数」的に伸びていく

  BARに通い詰めたからといって、すぐに「生きた英語」が理解できるようになったわけではありません。
  初めは、聞こえてくる会話の5%くらいしか聞き取れなかったと思います。
「英語がわからなくても、お酒が飲めればそれだけでいい」
「一人で黙って飲んでいれば、バーテンダーが話しかけてくるだろう」 
  そんな軽い気持ちで、BARに通っていました。
  1か月経っても5%は変わりません。2か月経つと、10%くらいにはなったでしょうか。3か月、4か月経つ頃には、聞き取れる単語の数が増えてきて、ある晩、自分でも不思議なくらい、会話がスラスラと耳に入ってきたのです。

  どうやら、英会話の力というものは「2次関数」的に伸びていくものらしいと感覚的に思いました。
  勉強を始めてしばらくは、なかなか成長を実感できません。それでもやり続ける。すると、あるときを境に急激に実力が伸びていきます。初めはゆっくりでも、ひとたびスイッチが入れば、加速度的に伸びていくのです。

  たとえるなら、「1滴ずつ、コップに水を注いでいく」ような感じでしょうか。1滴ずつ注いでいくわけですから、なかなか溜まりません。時間がかかります。でも、半分くらい溜まった頃から、注がれるスピードが速くなっていくことに気がつきます。
  そして、ひとたび一杯になれば、水を注ぐたびに、コップから水があふれ出す。このあふれた状態になって、ようやく「英語が身についた」ことになるのだと思います。

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<第4回>11月17日(木)⇒私が地雷を踏んだ忘れられないフレーズ!「センターピンを外さない表現」はこうして身につける!
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リッツ・カールトン本社で創業メンバーからクレドの薫陶を受け、94~2009年の間、日本支社長として、リッツ・カールトン大阪、リッツ・カールトン東京の開業をサポート。「Ritz-Carlton is nobody.」だった状態を日本でブランド化した立役者・高野登氏初の英語本!リッツ・カールトンの舞台裏英語から、日本人が踏みやすい地雷フレーズまで、英語を通じたおもてなしの真髄が満載。ぜひご一読ください。

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高野 登(たかの・のぼる)
人とホスピタリティ研究所所長。前ザ・リッツ・カールトン・ホテル日本支社長。1953年長野県戸隠生まれ。ホテルスクール卒業後、単身アメリカに渡り、20年間、ヒルトン、プラザホテルなどでホテルマンとして活躍。90年にはリッツ・カールトンの創業メンバーとともに開業に尽力。94年以降、日本支社長として、大阪と東京の開業をサポート。日本にリッツ・カールトンブランドを根づかせる。日本全国から企業研修、講演依頼があとを絶たない。