[東京 2日 ロイター] - 安倍晋三首相とトランプ米大統領の日米首脳会談は、北朝鮮情勢の分析・対応が主要議題となる。9月の弾道ミサイル発射以降、北朝鮮が沈黙を続ける背景について、日本政府内からは、大陸間弾道ミサイル(ICBM)への核搭載技術が進展していることを疑う声が浮上する。

両首脳は、最新の情勢分析結果をもとに、緊密に情報共有を進めることを確認する方針だ。

トランプ大統領は5日に初来日し、翌6日に安倍首相との首脳会談に臨む。日米間では対北朝鮮政策が一致しており、あらためて両国の結束を国際社会に示すことで、北朝鮮の孤立化を進める狙いがあるとみられる。

会談では、1カ月半にわたって鳴りを潜める北朝鮮の動向分析に力点が置かれるもようだ。

同国は9月15日の弾道ミサイル発射を最後に、挑発行為を控えている。中国共産党大会が開幕した10月18日前後のミサイル発射を警戒する向きもあったが、杞憂に終わった経緯がある。

北朝鮮が表立った動きを避けるのは、国連安全保障理事会が9月に採択した制裁決議を受け、様子見姿勢に転じたとの見方がある。

その一方、「水面下で核搭載ミサイルの開発を着々と進めているからではないか」(政府関係者)との観測もある。進展があるからこそ、無用な挑発を控えているとの指摘だ。こうした情勢を踏まえ、安倍首相は会談で、北朝鮮の最新情勢分析に「充分時間をかける」(1日の記者会見)考えだ。

両首脳は、北朝鮮対応を巡る中国の役割の重要性も共有済み。トランプ大統領は8日に中国の習近平国家主席と会談するが「その席で何を話すべきか、信頼の厚い安倍首相から助言を得たい思惑もある」(与党関係者)との指摘がある。

拓殖大学海外事情研究所の川上高司所長は「トランプ氏のアジア歴訪で、中国より先に日本を訪れるのはそのためだろう」とみる。

北朝鮮情勢以外では、経済分野で米側が対日貿易赤字の是正を迫る可能性もあるが、安全保障環境を考慮すれば「両国とも対立の表面化は避けたいのが本音」(経済官庁幹部)とみられる。

(梅川崇、久保信博 編集:田巻一彦)