Adam Jourdan Cate Cadell

[上海/北京 1日 ロイター] - 中国東部の蘇州市に住む小学校教師のGu Xiaomengさん(24)は、3日に発売される米アップル <AAPL.O>の新型スマートフォン「iPhone(アイフォーン)X(テン)」にわくわくしていると話す。アップルにとって課題は、Guさんのような人に実際に購入してもらうことだ。

「すごく興味はあるけれど、今のところ買う予定はない」とGuさんは言う。Guさんの月給は6000元(約10万円)を少し上回る程度で、アイフォーン発売10周年を記念した高級モデル「X」の中国での売り出し価格8388元より安い。

中国での売り上げが数四半期連続で減少しているアップルは、アイフォーンXの発売などで売り上げを回復させたい考えだが、Guさんのような消費者は彼女1人ではない。新型アイフォーンへの関心は高いが、それが売り上げに直結するわけではない。

「特に中国では、アイフォーンXの価格が需要の足かせになっているようだ」と、バーンスタインのアナリスト、トニー・サコナギ氏は最近のリポートで指摘した。このリポートによると、調査に応じた中国人の4分の3がアイフォーンXの発売を楽しみにしていたが、実際に買うと答えたのは4分の1だった。

投資家は、世界最大のスマートフォン市場である中国において、アップル復調のカギを握るアイフォーンXの需要を見極めようとしている。国産のスマートフォンメーカーが力をつけたため、中国市場でアップルはやや輝きを失い、シェアを減らしている。

9月に発売されたより安いアイフォーン8の売り上げは伸び悩んでいるが、アップルは、アイフォーンXの予約は「桁外れ」だとしている。

2日に第4・四半期決算を発表予定のアップルは、現段階ではコメントはないとしている。

中国のソーシャルメディア「ウェイボ(微博)」<WB.O>上の投稿件数を見ても、新型アイフォーンへの関心が高いことがうかがえる。ただ2014年に発売され好調な売れ行きを示したアイフォーン6と比べると、全体的に投稿件数は少なくなっている。

<アップルファン>

北京のブロックチェーン新興企業に勤めるXiao Mingさん(32)は、先週始まったアイフォーンXの先行予約のため深夜まで起きていた。Xiaoさんは、アイフォーン8も既に購入している。

「新しいアイフォーンはいつも真っ先に買うようにしている。発売初日に手に入れられなければ、本当に失望する」と、Xiaoさんは言う。新型アイフォーンの拡張現実(AR)対応カメラと顔認証システムの機能を特に気に入っているという。

XiaoさんはアイフォーンXを購入する予定だが、友人の多くはそれほど盛り上がっていないという。

「以前は、多くの人が何とか手に入れようとしていたが、今では(騒いでいるのは)ほとんどファンの人だ。友達は、持っているのがアイフォーン8でもアイフォーン6でも気にしない。良く似た外見だし、アイフォーンXの価格にはおじけづいてしまうからね」

販売代理店やアイフォーンのアクセサリーメーカーは、アップル初の顔認証システムや大型化した画面を備えたアイフォーンXが、話題になっていることを認める。

「(アイフォーン発売)10周年記念モデルであり、多くの改良や変更が取り入れられた今回のアイフォーンに対する期待は本当に高い」と、香港のショッピングセンターにあるスマートフォン販売店のマネジャーGary Yiu氏は言う。

Yiu氏と他の販売店関係者3人によると、アイフォーンXへの中国本土の顧客からの需要が極めて高いという。

中国深センの電気街「華強北」で、アイフォーンに似せた「E-Feng X」という機種を1599元で売っていた店員は、売れ行きは「とても良い」と話した。

だが中国の販売店の中には、アイフォーンXの注文を既にキャンセルしたところもある。入荷待ちが長期になる懸念がある一方で、高額のプレミアムを料金に上乗せできるほどの供給不足は起きないとの予測からだという。

「友人の多くが、アイフォーンXの注文に成功した写真を投稿していたので、自分の予約をキャンセルした」と、北京のテクノロジー関連企業に勤めるトニー・トンさん(29)は言う。トンさんは、転売して利益を得ようと考え、4台注文していた。「転売屋にとって悪い環境だ」

アップル側は、支払いプランや中国では容易に組めるオンライン融資によって、消費者が購入してくれることを期待するだろう。

北東部の港町大連に住むエンジニアのWang Haoさん(24)は、高いと思いながらもアイフォーンXを注文した。これまでは、アイフォーン6Sを使っていた。

「価格はだいたい自分の月収と同じ。でも使い慣れてしまって、他のブランドを選ぼうとは思わなかった」

(翻訳:山口香子 編集:伊藤典子)