11月5日、サウジアラビアはムハンマド皇太子率いる汚職対策委員会による王族や現職閣僚らの摘発が投資家の不安をあおり、金融市場に一時的な動揺を引き起こした。写真は、摘発された富豪のワリード・ビンタラール氏。リヤドで2009年8月撮影(2017年 ロイター/Fahad Shadeed)

[ドバイ 5日 ロイター] - サウジアラビアはムハンマド皇太子率いる汚職対策委員会による王族や現職閣僚らの摘発が投資家の不安をあおり、金融市場に一時的な動揺を引き起こした。しかし摘発を契機に改革派であるムハンマド氏への権力集中が一段と進み、今後はむしろ経済改革に弾みがつきそうだとの見方も出ている。

 新設の汚職対策委は、富豪のワリード・ビンタラール氏など王子11人や現職閣僚4人、元閣僚ら数十人を拘束。とりわけ富豪のワリード氏は米金融大手シティグループの株式を大量に保有し、サウジのビジネス界の「顔」とも言える存在だけに、身柄拘束は外国投資家にとって衝撃だった。

 一方で国内投資家は、摘発が長期化して王族の不透明なビジネスにまつわるスキャンダルが白日の下にさらされ、関係者が株式の売却を迫られるのではないかと懸念を強めた。

 ただ、銀行関係者やアナリストの間では、今回の摘発でムハンマド氏による権限の掌握と次期国王継承に向けて残っていた障害が取り除かれ、財政赤字の削減や女性の雇用拡大、国有資産の売却など大胆な改革を進めることが容易になるとの予想が広がっている。

 5日のサウジ株式市場も摘発が伝わった当初は下落したものの、その後は持ち直し、結局小幅高で終わった。

 投資銀行エキゾティクスの株式調査部門グローバルヘッド、ハスナイン・マリク氏は「サウジにおける権力集中の最新の動きだ」と指摘。前例がなく、物議をかもすだろうが、財政引き締めや改革といった課題を推進するにはこうした権力集中は不可欠だとの認識を示した。