11月2日、トランプ米大統領(右)が、FRB次期議長にジェローム・パウエルFRB理事(左)を指名したことを受け、米国債利回りのイールドカーブはフラット化が進んでいる。ワシントンで撮影(2017年 ロイター/Carlos Barria)

[ニューヨーク 2日 ロイター] - トランプ米大統領が2日、連邦準備理事会(FRB)の次期議長にジェローム・パウエルFRB理事を指名したことを受け、米国債利回りのイールドカーブはフラット化が進んでいる。

 イールドカーブの形状は、投資家の経済や物価の見通しを反映していることが多い。スティープ化は、経済成長と物価上昇加速の前兆となる傾向がある。一方でフラット化は、FRBが現在短期金利を引き上げており、成長と物価上昇の見通しがともに落ち着いているケースがほとんどだ。

 そして米国債投資家が足元でフラット化取引に傾いているのは、2015年終盤にイエレン議長が始めた路線をパウエル氏が踏襲し、緩やかな利上げとバランスシート縮小を進めるとの予想が広がっているからだ。

 BMOキャピタル・マーケッツの金利ストラテジスト、アーロン・コーリ氏は「パウエル氏にとっては既に道が敷かれている。金融政策の全面的な変更を彼は支持しないだろう」と述べた。

 FRBが事実上のゼロ金利を解除した2年前から、米国債の5年─30年利回りスプレッドは43ベーシスポイント(bp)縮小。さらにパウエル氏指名が有力視されていたここ数日で、トレードウェブのデータによると同スプレッドの水準は82bpと、2007年終盤以来の低さになった。

 グッゲンハイム・パートナーズのグローバル最高投資責任者スコット・マイナード氏は「この先について、私はイールドカーブの形状に最も注目している。これはわれわれに多くのことを教えてくれる」と話した。

 米下院共和党が2日発表した税制改革法案が上院でも承認される事態になれば、財政赤字拡大懸念から長期債が売られ、イールドカーブはスティープ化するかもしれない。

 今後数ヵ月のうちに海外政治情勢不安、あるいは米国株の持続的な下落で経済が失速するようなら、FRBの再利下げ観測を背景に短期債利回りが下がり、やはりスティープ化に転じる可能性もある。

 しかし当面は、パウエル氏が率いるFRBの下、世界的に物価上昇加速の兆しが乏しいとみられる中で、長期債利回りは現状付近にとどまり、イールドカーブのフラット化傾向は続きそうだ。

 SEIインベストメンツの債券投資責任者ショーン・シムコ氏は「物価が上振れするまでフラット化が見込まれる」と予想した。

(Richard Leong記者)