ザッパラス、enishを経営者として率い、東証一部上場企業にまで成長させた杉山全功さん。「上場請負人」として知られる杉山さんですが、ご自身のことを「1から90」に会社を成長させる経営者と捉えているそうです。では、1から90まで成長できる事業を見極めるための2つのポイントとは何なのか?事業や組織を活性化させる方策を伺っていきます。聞き手は、株式公開後も精力的に発展を目指す“ポストIPO・スタートアップ”を応援するシニフィアン共同代表で、元ミクシィ社長としても知られる朝倉祐介さんです。(ライター:石村研二)

1から90に会社を成長させる「上場請負人」

朝倉祐介(シニフィアン共同代表。以下、朝倉):杉山さんは取締役としてこれまで10社以上の経営に関わってらっしゃいます。社長としてもザッパラス(2000年創業のモバイル向けコンテンツ制作会社)とenish(2009年創業のソーシャルアプリ開発・運営会社)で上場を経験されてますよね。どちらも創業メンバーではなく、サービスを開始した後の会社を成長させるというステージに関わってらっしゃいます。日経新聞に「上場請負人」として紹介されたこともありますが、杉山さんはまさに「プロの経営者」だと思います。現在「就職活動中」だそうですが、杉山さんはどのような基準で「この会社なら成長させられる」と判断されているのですか?

杉山全功(すぎやま まさのり) 大学時代に学生ベンチャー、株式会社リョーマに参画したことが経営者へのきっかけとなる。2004年に代表取締役に就任した株式会社ザッパラスは就任2年目で東証マザーズに上場し、2010年には東証一部上場へと導く。同社退任後、2011年に株式会社enishの代表取締役に就任。就任後2年半で自身二度目となる東証一部への上場を果たす。株式会社enish退任後は、株式会社日活、地盤ネットHD株式会社等の社外取締役を務めるかたわら、最近はエンジェルとして若手経営者の育成にも力を入れている。

杉山全功氏(以下、杉山):僕は、会社を「1から90までなら、もっていける」という表現をしています。会社は常に高みを目指していかなければいけません。その時々のベストは尽くすにしても、常に先があり、完成することはないという意味で「1から90」と表現しています。どんな会社であれば90まで持っていけるかというと、判断基準としては2つの要素があると思います。

 1つは、その会社が戦っているマーケット自体に成長の余地があるのかということ。もう1つは、もともといるコアなメンバーたちがどのような役割分担をしていて、僕が入った時に役に立てる部分があるのかどうかです。別に過去の入社時にそういう明確な基準で図っていたわけではないんですが、今から振り返って思えば、そういう考え方をしていた気がします。