[8日 ロイター] - <為替> ドルが主要6通貨バスケットに対し小幅上昇。欧米の金融政策格差が再認識される中、ドルへの買い戻しが入った。

終盤の取引でドル指数<.DXY>は0.17%上昇し94.921。前月終盤につけた3カ月ぶり高水準に迫った。

ユーロ/ドル<EUR=>は0.2%安の1.1586ドル。一時、7月20日以来の安値となる1.1555ドルをつける場面もあった。

コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジの首席市場アナリスト、オマー・エジナー氏は「米連邦準備理事会(FRB)と他の主要中銀の金融政策見通しのかい離が再び意識されている」と指摘。直近の欧州中央銀行(ECB)理事会の結果を踏まえ、FRBが他の主要中銀よりも速いペースで政策の正常化を進めるとの見方が再び焦点となっているとの認識を示した。

今週は主要米経済指標の発表に乏しい半面、来週にはインフレ指標や小売売上高統計の発表を控えていることから、今週は比較的薄商いとなっていることも指摘された。

前出のコモンウェルスのエジナー氏は、米税制改革の実現に対する「慎重ながら楽観的な見方」はドル押し上げの一助になったと指摘した。

こうした中、欧州連合(EU)離脱に向けた準備を進める英国の経済情勢を巡り懸念が台頭する中、ポンド/ドル<GBP=>は0.05%下落した。

豪ドル<AUD=D4>は対米ドルで0.61%下落。オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを過去最低の1.50%に据え置くことを決定した。

<債券> 長期国債利回りが低下し、利回り格差は約10年ぶりの水準に縮小した。午後行われた3年債入札は平均的な需要がみられた。

ストーン&マカーシー・リサーチ・アソシエイツ(ニューヨーク)の市場ストラテジスト、ジョン・カナバン氏は「市場は静かで底堅かった。イールドカーブのフラット化の流れはおそらく来年に入っても続くだろう」と述べた。

米連邦準備理事会(FRB)が今後も利上げを進める一方、インフレ率はFRBの目標である2%を下回る状況が続くとの見方から、市場では期間が短めの国債よりも長めの国債への選好が強いという。また税制改革を巡る不透明感や期間が30年を超える国債発行の可能性低下に伴い、イールドカーブのフラット化取引への妙味も高まっているとみられる。

2年債<US2YT=RR>利回りは小幅上昇し1.629%。10年債<US10YT=RR>利回りは1ベーシスポイント(bp)低下し2.307%。2年債と10年債の利回り格差<US2US10=RR>は約67bpと、2007年11月以来の水準に縮小した。30年債<US30YT=RR>利回りは3bp低下し2.769%と、6週間ぶり低水準の2.765%に迫った。

240億ドルの3年債入札は、最高落札利回りが1.750%と、2010年4月以来の高水準となった。応札倍率は2.76倍で、10月に実施された前回入札時の2.83倍から低下した。8日には230億ドルの10年債入札、9日には150億ドルの30年債入札が実施される。

インフレが低水準にとどまりFRBは段階的な利上げペースを維持するとの見方を反映し、市場のボラティリティーは低下傾向にある。シカゴ・オプション取引所(CBOE)の米10年債ボラティリティー指数<.TYVIX>は前週末、過去最低となる3.55をつけた。この日は3.68。またバンカメメリル1カ月物MOVE指数は前日、過去最低となる45.05をつけた。

<株式> ダウ工業株30種が4日連続で過去最高値を更新。一方、米インターネット旅行予約のプライスライン・グループ<PCLN.O>の第4・四半期業績見通しが市場予想を大幅に下回ったほか、金融株が売られ、S&P総合500種は小幅安だった。

S&P金融株指数<.SPSY>は1.33%安。業種別指数で値下がりトップだった。

一方、S&P公益事業株指数<.SPLRCU>やS&P主要消費財株指数<.SPLRCS>などディフェンシブセクターの上昇が目立ち、両指数はともに1%を超す上昇となった。米日用品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)<PG.N>は1.08%高。

米金融・債券市場では長期国債利回りが低下し、2年債と10年債の利回り格差が約10年ぶりの水準に縮小。銀行株の収益が圧迫されるとの懸念が強まった。

米ゴールドマン・サックス<GS.N>が1.51%安となり、ダウ平均を押し下げた。JPモルガン<JPM.N>やバンク・オブ・アメリカ<BAC.N>もS&P500の重しとなった。

プライスラインは13.52%安。米旅行サイト大手トリップアドバイザー<TRIP.O>も23.22%安と5年ぶり安値を更新。両社とも軟調な業績見通しが嫌気された。

<金先物> 外国為替市場でドル高・ユーロ安が進行し、割高感などから売りが出て反落した。中心限月12月物の清算値は前日比5.80ドル(0.45%)安の1オンス=1275.80ドルとなった。

<米原油先物> 利食い売りに押され、4営業日ぶりに反落した。米国産標準油種WTIの12月物の清算 値比は前日比0.15ドル安(0.26%)の1バレル=57.20ドル。1月物は0.14ドル安の57.43ドルだった。

市場の注目はムハンマド皇太子が粛清に動いたサウジアラビア情勢の行方に加え、米石油協会(API)と米エネルギー情報局(EIA)がこの日夕方と翌日午前にそれぞれ公表する石油在庫週報に集まっている。