[東京 8日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は8日、都内でロイターの単独取材に応じた。保護主義が広がれば「現在の開かれた経済を損ねる可能性がある」とする一方、現段階ではその兆しはみられないと分析。日銀の金融政策を巡っては、市場との対話が明確な点を挙げつつ、黒田東彦総裁の姿勢を評価した。消費税の使途変更については「短期的には成長にプラス」との見方を示した。

ラガルド氏は、IMFアジア太平洋地域事務所の開設20周年記念行事のため来日した。

インタビューでは、自由貿易がもたらした利益を強調しつつ、「新たな技術や貿易が人々の仕事を奪ってしまった面もある」と負の側面についても言及。貿易が「成長のエンジン」であり続けるには、公正なルールに基づいた経済圏の確立に向けた、不断の改善が求められると語った。

保護主義の台頭は、経済に悪影響を及ぼしかねないと警鐘を鳴らす一方、現段階ではそうした兆候がみられないことも併せて指摘した。

金融政策は「今後、世界の中央銀行でそれぞれ方向性が異なることになるかもしれないが、今のところ大変な資金流出、流入はみられない」と述べた。

黒田日銀総裁の手腕を巡っては、市場との対話や物価目標達成に向けた決意を示している点に触れ、「黒田総裁は間違いなくそれが実践できている」との見方を示した。政策変更の局面では、こうした行動こそ、無用な資本移動を抑制するのに必要とも語った。

また、安倍晋三首相が表明した消費税の使途変更に関しては、幼児教育の無償化などが進められることから、肯定的な見方を示した。消費増税そのものは「急激にではなく徐々に税率を引き上げることが望ましい」と改めて提案した。

(梅川崇、木原麗花)