[東京 8日 ロイター] - 元日銀理事の門間一夫・みずほ総合研究所エグゼクティブエコノミストは、世界経済・金融市場は良好な状態にあるものの北朝鮮情勢について市場参加者は懸念しており、「経済や市場そのものに調整のサインが出ているとき、緊張すれば、調整が一気に進む可能性がある」との懸念を示した。

8日のロイター・プレミアムニュースセミナーで北朝鮮情勢を巡るパネルディスカッションに参加して述べた。

門間氏は世界経済の現状を「過去10年間で最も良い状態」と表現。米国の利上げも「非常にゆっくりしか上げていかない」ため、好循環ができているとの見方を示した。その上で、北朝鮮情勢を市場関係者は「みんな心配しているが、どのように心配したらよいのかわからない状態」と指摘した。

<日銀は臨時会合で資産買い入れ増額可能>

万が一、朝鮮半島での有事により日本の本土に何らかの被害が生じた場合について、あくまで一般論としたうえで、「日銀は自然災害やテロを想定し、東京・府中の(コンピューター)センターが使えない場合は大阪のバックアップシステムに2時間以内に切り替えられる体制」と説明。金融機関の資金決済を行う日銀ネットも「金融機関と定期的に訓練を行なっている」と強調した。

日本本土に被害が生じた場合の市場反応は「瞬間的には円高・株安の反応となる」が、「その後は展開次第」とし、「北朝鮮の軍事能力が低下されることがわかれば、リスクオンになる可能性もある」との見通しを示した。

急激に円高が進む場合は、2011年の東日本大震災直後のように政府・日銀として協調介入の手段もあると指摘。CP(コマーシャルペーパー)や株式など各種金融資産の市場に障害が起きるのであれば、「臨時の金融政策決定会合を開催し、(買い入れ)資産の増額などが可能」と強調した。

(竹本能文)