ハーマンインターナショナルは11月7日、東京・六本木の「ビルボードライブ東京」で製品説明会を開催した。会場では米国のハイエンドコンポーネントブランド「Mark Levinson」と、その姉妹ブランド「REVEL」のスピーカー製品が集結。REVELブランドの新ラインに属する「F228Be」「M126Be」とハイエンドライン「ULTIMA」の新モデル「ULTIMA SALON2」「ULTIMA STUDIO2」が発表された。Mark Levinsonブランドからはアナログプレーヤー「No515」とインテグレーテッドアンプ「No585.5」が登場した。

 REVEL製品はいずれも未定としており、発売予定はF228BeとM126Beが2018年2月。SALON2とSTUDIO2は受注生産で、納期はオーダーより4ヵ月としている。Mark Levinson製品は、No515の価格が108万円で発売予定は12月、カードリッジは別売。No585.5は価格が172万8000円で、発売予定は2018年2月。

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「REVEL」ブランドに新ライン「PERFORMA Be」が登場。画像はトールボーイ型の「F228Be」
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Mark Levinsonからはアナログターンテーブル「No515」が登場。協業先のVPIテクノロジーズの技術を多数搭載する
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インテグレーテッドアンプ「No585」のアップデート版「No585.5」もお目見え

REVEL新ラインはベリリウムツイーター搭載

 REVELブランドはこれまで「CONCERTA2」「PERFORMA3」、そしてハイエンドのULTIMAという3ラインで構成されていた。このPERFORMA3とULTIMAの間を埋める機種として準フラッグシップの「PERFORMA Be」を新たに発表した。トールボーイ型で3ウェイのF228Beとブックシェルフ型で2ウェイのM126Beがある。

 ともにベリリウムツイーターを搭載、特許技術の音響レンズウェーブガイドはアルミダイキャスト製の第5世代に進化した。ウーファーとミッドレンジは、高圧プラズマでアルミダイヤフラムの表面を粗いセラミックでコーティングする「Deep Ceramic Composite Cone Technology(DCC)」で製造される。DCCは素材の剛性向上に寄与する航空業界由来の技術で、PERFORMA3ラインで使われている「Micro Ceramic Composite(MCC)」ダイヤフラムの3倍の剛性を持つという。これによりダイヤフラムは軽量で適度な内部損失を持ち、共振を抑えるとしている。また、ユニットのマグネットも従来より大型化された。

 設計はPERFORMA3シリーズの、トールボーイ「F208」とブックシェルフ「M106」をベースとした。それぞれのユニット構成は、F228Beのウーファーが200mm DCC×2、ミッドハイが130mm DCC、ツイーターが25mm。M126Beのウーファーが165mm DCC、ツイーターが25mm。サイズと重量は未公開。

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4種類のカラーバリエーションを用意
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PERFORMA Beのブックシェルフモデル「M126Be」

丸みを帯びたフラッグシップモデルは受注生産

 ハイエンドラインのULTIMAシリーズにも、新モデルのSALON2とSTUDIO2を追加する。丸みを帯びたエンクロージャーにベリリウムツイーター、チタンコーンにネオジウムマグネットを組み合わせたミッドレンジ/ウーファーを搭載する。

 フラッグシップのSALON2は200mmウーファー×3、165mmミッドバス、40mmミッドハイ、25mmツイーターの、4ウェイという構成。STUDIO2は200mmウーファー×2、133mmミッドハイ、25mmツイーターの3ウェイ。発売時期、価格は未定。受注生産で納期は4ヵ月としている。

 そのほかの主な仕様は、SALON2のインピーダンスが6Ω、出力音圧レベルが86dB(2.83V/1m)、周波数特性が23Hz~45kHz(-3dB)。SALON2のインピーダンスが6Ω、出力音圧レベルが87dB(2.83V/1m)、周波数特性が32Hz~45kHz(-3dB)。サイズと重量は未公開。

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F228Be(画像左)とフラッグシップモデル「ULTIMA SALON2」(画像右)

Mark Levinsonからアナログターンテーブルが登場!
172万円のインテグレーテッドアンプも

 Mark Levinsonブランドからは、VPIインダストリーズとの協業によるアナログプレーヤーNo515が登場。Mark Levinson初となる協業で、アルミ削り出しのアームベースに用いられる独自機構など、VPIの技術をそのまま導入したという。

 ステンレス削り出しのスピンドルは、公差0.01mmという高精度のものを採用。ターンテーブルのベースとなるプラッターは約9kg。削り出しのアルミで、裏面には制震のためにMDF材のダンピングディスクを包含したという。シャーシは剛性を追求し、削り出しのアルミ1枚板を12.5mm厚のMDFでサンドイッチした構造を採用。コーナーポストとインシュレーターには金属に近い樹脂素材「デルリン」製で、脚にはマークレビンソンのアンプと同じアルミフットを装備する。

 シェル一体型のトーンアームシャフトは3Dプリントで製造。振動を排除するためモーターは別筐体で完全分離とし、シャーシと同じく3層構造の筐体を使用。ターンテーブルは3本のベルトでドライブする。モーター内には33/45回転のスピードコントロールが内蔵しており、電源の正弦波生成に用いられるオシレーターは、各回転系統ごとに独立して搭載される。

 そのほかの主な仕様は、サイズが幅515×奥行き405×高さ220mm、重量が25.8kg。

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会場で展示されていたNo515。デモではREVELスピーカーを朗々と歌い上げた

 インテグレーテッドアンプ「No585」のアップデート版No585.5も登場。

 完全ディスクリート構成のアナログ部は、パワーアンプがAB級の200W+200W(8Ω)。左右独立の巻線を使用した電源部のトロイダルトランスは800VA、電解コンデンサーの合計容量は92400μFと、大容量の設定として駆動に余裕を持たせている。

 ボリューム部は可動部のないR-2Rラダーボリュームコントロール。デジタル入力は合計で6系統あり、再生ファイルは192kHz/32bitまでのPCMと、5.6MHzまでのDSDに対応する。フォノイコライザーは上位機種「No523」「No526」と同じもので、フルディスクリート、フルバランス、デュアルモノ構成だという。サイズと重量は未公開。

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No585.5。200W+200WのAB級パワーアンプで、REVELスピーカーを駆動してみせた

「一人でも多くの人に音を聴いてもらいたい」

 発表会ではコンシューマー事業部長の御子柴正武(みこしばまさたけ)氏が登壇し、同社の今後の展開について語った。1996年にスタートしたREVELブランドに対して、御子柴氏は日本市場での認知向上を課題として提示。同社が取扱うJBLブランドよりも低い認知率を何とか向上させるべく「一人でも多くの人に音を聴いてもらいたい」とした。

 すでにトップブランドとして世界的な認知を得ているMark LevinsonやJBLといったブランドに関しては、その課題を「再構築」と掲げ、音質、品質、サービス/サポートの向上を宣言。施策として御子柴氏は、従来2年間だった製品サポート期間を5年に延長すると発表。さらに全社的なサポート体制の向上として、従来はエリア限定で50kg以上だった大型スピーカーの出張サポートを、50kg以上から30kg以上に変更し、全国どこのエリアでも実施すると表明した。これらのサービスはJBLブランドも対象となり、既に製品購入済みのオーナーも期間を遡ってサポートするという。

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サービス向上の一環として、大型スピーカーの出張サポートが拡張
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出張サポート対象製品。JBLスピーカーも対象となる
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コンシューマー事業部長の御子柴正武(みこしばまさたけ)氏。REVELスピーカーを「一人でも多くの人に音を聴いてもらいたい」と語った
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会場となったビルボードライブ東京は、六本木ミッドタウンにあるライブハウス