[東京 9日 ロイター] - ロイターは8日、自民党の外交部会長や元防衛事務次官、専門家を招いて「プレミアム・ニュースセミナー」を開き、緊張が高まる北朝鮮情勢について討議した。

自民党参議院議員の阿達雅志・外交部会長は、北朝鮮と結びつきが強い第三国の金融機関や企業への制裁強化、テロ支援国家の再指定、経済封鎖などを挙げ、「米国が軍事行動を取るまでに、まだ取れる外交的手段が相当ある」と語った。

また、米国が軍事行動を起こすには中国、ロシアと事前に協議する必要があると指摘。その一方で「トランプ大統領がこうしたステップを跳び越して何かをする可能性、あるいは偶発的な軍事衝突が起きる可能性はリスクとしてあるのではないか」と述べた。

西正典・元防衛事務次官は、旧ソ連が米国に対抗して軍事費を増やし、最終的に屈した冷戦末期との類似点を分析。「(米朝の)軍事衝突の可能性はほぼない。今の嫌な状況が延々と続く」とした上で、北朝鮮は「手札」が残り少なくなりつつあるとの認識を示した。

西氏は一方で、金正恩朝鮮労働党委員長が、旧ソ連のゴルバチョフ政権のような集団指導体制ではないと指摘。今後も米朝の駆け引きが続く中で「北朝鮮が何かを読み間違えをするリスクはある」とも述べた。

笹川平和財団の小原凡司特任研究員は、核保有を絶対に認めないとする米国、核放棄を絶対に認めないとする北朝鮮は「最終的に軍事衝突以外にないのではないか」と分析。「国内世論をみても、米国が先に先に手を出すことは難しい」としつつも「北朝鮮が先に米国の安全を脅かしたかどうかというのは、米国側が決めることができる」と述べた。

元海上自衛官でもある小原氏は、特殊部隊による金委員長の斬首作戦は困難と指摘。小型潜水艇で川をさかのぼらないと平壌に上陸できず、上陸できたとしても大都市の厳しい監視をくぐりぬけるのは不可能との認識を示した。その上で「米国が目的を達成するには、相当大規模な軍事力を行使しなくてはならないだろう」と語った。

(久保信博 編集:田巻一彦)