10月に均一価格を280円から298円に値上げした鳥貴族。コスパの評価が高いだけに、業界にも一般利用者にも衝撃が走った。値上げ決断の舞台裏では何があったのか。『週刊ダイヤモンド』11月11日号の第1特集「味から儲けの仕組みまで 外食チェーン全格付け」の拡大版として、本誌と別テーマあるいは未掲載箇所をたっぷり盛り込んだ経営者たちのインタビューをお届けする。第8回は、鳥貴族大倉忠司社長に聞く。(『週刊ダイヤモンド』編集部 山本 輝)

――10月に均一価格を280円から298円に値上げしました。何があったのでしょうか。

おおくら・ただし/1960年、大阪生まれ。料理系専門学校卒業後、大手ホテル、飲食店勤務を経て85年独立。2009年に社名を鳥貴族に変更。 Photo by Hiroki Kondo/REAL

 酒税法改正によるビールなどの仕入価格の高騰だけでなく、人件費や求人費がどんどん上がっています。労働環境を少しでも年々良くしたいという基本方針もあるなか、総合的に考えて判断しました。

 今後、消費増税も見込まれるでしょう。増税後は消費者心理を考えると価格を上げにくい。それもあって、今しかないと決断しました。

――値上げはいつから検討されていましたか。

 正直言うとですね、アベノミクスが出始めた頃から意識はしていました。結構早い段階です。

 政策として物価を上げていくというのですから、流れは変わると思いました。後に東京オリンピックの開催も決まり、地価も家賃もじわじわ上がって、これはもう、上げざるを得ないタイミングが来ると考えていました。

――実際、値上げを決めた時の社内の雰囲気はどうでしたか。

 みんなびっくりしていましたね。「そんな方法あったんだ」と(笑)。