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遠山周平

■第4回 Nov.18.2011 遠山周平

エシカルなビジネスワードローブについて考える

著者・コラム紹介
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 いささか旧聞に属するが、この夏の初め池袋西武屋上ビアガーデンにおいて『TAKE 8 IVY』(万来舎)の出版記念パーティが開催された。日本のアイビー、トラッド、クラシックの服飾関係者が新旧一堂に会し和やかな時間を過ごした。筆者のお隣では偶然、穂積和夫先生(画家、イラストレーター)と白井俊夫さん(横浜信濃屋)が初顔合わせする事態に。

 濃紺のスイングトップに綿パンツというカジュアルな穂積氏の着こなしを見て。遠山「穂積先生、そのマドラスチェックシャツどこのですか?」。穂積「じつはユニクロ1980円」。遠山「えっ多趣味すぎて、お洒落の興味が枯れてきたの?」。白井「何を着ても格好いい人はそれなりにキマルってことなんだよ。それにしてもさすがですなア」。穂積「えへっ」。てな具合。

 この本『TAKE 8 IVY』は、1965年に発行された名著『TAKE IVY』(アシェット婦人画報社で復刊)の続編にあたるもの。写真家の林田照慶氏がベトナム戦争をはさんで撮りためてきた60年代と70年代の米国アイビー8校のキャンパス風俗が、おおまかに2種掲載されている。解説は伊藤紫朗氏(マクベスを創設。服飾評論家)が担当した。

 1965年頃の写真はベトナム戦争の影響もまだ希薄で、シンプルで合理的な蛮カラ風アイビールックの学生たちが、由緒ある図書館や緑ゆたかなグランドで勉学やスポーツに励む姿が見事に切り取られている。ルーツの『TAKE IVY』が金融恐慌後のアメリカで話題になったように、この本にも未発表のエシカルな着こなしが満載されている。

 いっぽう『TAKE IVY』に収録されていない1970年代中盤あたりのキャンパス風俗は、ベトナム戦争が終結し、学生運動が下火になりアイビースタイルが再び見直された時代のもの。旧来のアイビーにフレアーパンツ、ブルーデニム、長髪といった自由さが加味されているものの、質実剛健な装いの伝統は衰えていない。

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遠山周平 [服飾評論家]

1951年、東京生まれ。雑誌編集者、新聞記者を経て服飾評論家に。豊富な経験と知識を元に、“自ら買って、試して、書く”を信条とする。著書に『洒脱自在 おとなとしてシックに服とつきあう本』(中央公論新社)など。趣味の裁縫技術を生かし、捨てないお洒落生活を実践中。

 


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