[チューリヒ 9日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行)のジョルダン総裁は9日、スイスフランに対する需要を抑制するためにマイナス金利政策は依然として必要となっているとの考えを示した。

2015年1月のスイスフランの対ユーロ上限撤廃以来、スイス中銀はマイナス金利と大規模な外貨買い入れを政策の柱に据えてきた。スイス中銀の主要政策金利である中銀預金金利は現在マイナス0.75%となっている。

ジョルダン総裁はフランクフルトで行われたイベントでの講演原稿で、欧州政治リスクの後退を受け安全通貨とみなされるスイスフランは下落しているものの、マイナス金利政策はなお重要となっていると指摘。「現在のような世界的な金利環境下では、マイナス金利政策なくしては投資通貨としてのスイスフランの魅力は過度に高まり、相場は再び上昇する。一部マイナス金利の恩恵により他の通貨との間の伝統的な金利差を確保できている」と述べた。

そのうえで、2015年初旬から見られているスイスフランの過大評価で多くの企業が苦しんでいるとの認識を示しながらも、スイス経済はリセッション(景気後退)には陥っておらず、失業も一時的に増加したに過ぎないと述べた。

ただ、スイスの外貨準備は10月に7420億スイスフランと、国内総生産(GDP)を14%超える水準に拡大。スイス中銀の為替相場の変動に対するぜい弱性は増している。これについてジョルダン総裁は「金融政策運営とバランスシートの管理は相互に連動しており、切り離すことはできない」と述べた。