だが小林製薬にはヒットへの確たる自信があった。睡眠に何らかの課題を感じている人は約7割もいる(2015年厚生労働省「国民健康・栄養調査」)にもかかわらず、先行品群の認知率があまりにも低かったのだ。

 小林製薬が調べたところ、先行品群の世間認知度はわずか約3%。さらに市場規模を測ろうとしても、あまりにもニッチ過ぎるためか、鼻呼吸テープの市場調査をしている調査会社が無かったという。

 そこで新しい市場を創造するわけではないが、「未成熟の市場に挑む」と小林製薬は動いたわけだ。挑むとなれば、インバウンドで波に乗る会社。宣伝広告費を重点的に充て、「雑貨品では珍しい」(マーケティング部)という新聞広告も打つ、力の入れよう。知名度は一気に先行品群を抜き去ったに違いない。

 あったらいいなも、売れたらいいなもカタチにする。ニッチ市場にどんな形であれ挑む貪欲さが小林製薬の強さの秘密のようだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 土本匡孝)