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世界最大級のITイベントで
システム管理者が主役を務めた理由

――セールスフォース・ドットコム 「Dreamforce '17」現地報告

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【第161回】 2017年11月14日
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基調講演でベニオフCEOから感謝の言葉をかけられるステファニー・ヘレラ氏。土曜日にカフェで行うセールスフォースの管理者を集めた情報交換の場「セールスフォース・サタデー」の発起人としても知られる。いまやこの会は全米で実施され、世界各国にも広がる

「トレイルブレイザー」という
顧客のキーパーソンに焦点

 ドリームフォースの中で、セールスフォースの次の1年の方向性を示す最も重要なセッションであるベニオフ氏の基調講演。今年、その講演中に彼が最初に歩み寄った人物は、大手企業のトップでもビジョンを語るエバンジェリストでもなかった。Spredfastというテキサス州のソーシャルマーケティング企業でシステム管理者として働く、ステファニー・ヘレラさんという女性だったのだ。これが、今回のドリームフォースの真の狙いを象徴的に示していた。

 一企業のシステム管理者である彼女の生い立ちを紹介するビデオと、セールスフォースとの出会いが人生を変えたというメッセージが流れた後、ベニオフCEOが彼女と握手を交わすと、会場の盛り上がりは最高潮に達した。彼女こそ、今年のドリームフォースの最大のスターであり、「トレイルブレイザー」活動のシンボルだった。

 トレイルブレイザーとは、顧客企業内でセールスフォースのシステムを管理するアドミニストレーター(アドミン)、開発者などのことで、簡単に言うと、どの会社にもいるIT部門の現場担当者だ。トレイルブレイザーを直訳すれば「勇敢に道なき道を駆ける人」ということだが、同社によれば、ビジネスの課題に対して率先して果敢にチャレンジし、成し遂げる人という意味である。

 セールスフォースは、自社のアプリケーションをオンラインで学習するプログラムの「トレイルヘッド」を運営している。セールスフォースの機能を個別に学べる科目が用意され、クイズ形式の機能もあって楽しみながら知識を学べる。修了時にはバッジが与えられる。

 セールスフォース社内では、このトレイルヘッドを使ってマネジャーがチームのスキル向上に役立てるよう、部下のバッジの取得状況をチェックして、必要なものを取るように勧めているという。次々と機能が拡大するセールスフォース自身の製品説明ができなければ営業もサポートもできないため、社員にとっても欠かせないものとなっているようだ。

 このトレイルヘッドを使ってセールスフォースの技能を身に付ける人を、トレイルブレイザーと呼び、同社では彼らへの支援を行っている。今ではシステム管理者や開発者だけでなく、マーケター、部門マネジャーや幹部にまで広く呼ばれるようになり、セールスフォースの利用者、ファンは「全員がトレイルブレイザー」という一大キャンペーンに拡大した。

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