[東京 13日 ロイター] - 11月ロイター企業調査で、ESG投資について聞いたところ、業績との連動性などに不透明感も多く、投資尺度として疑問だとする企業が多かった。業績と環境重視・女性活用といった価値観が直接結び付きにくいとみられているほか、多様な価値観を評価すること自体が企業にとって重荷になるといった見方もある。ESGの投資の採用銘柄となることにも消極的な回答が多かった。

この調査は、資本金10億円以上の中堅・大企業400社を対象に10月26日─11月7日に実施。回答社数は247社程度。

*調査結果のグラフは下記をクリックしてください。

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「ESG投資は企業を苦しめるだけ」(輸送用機器)--環境配慮や女性の活躍、企業のガバナンスといった、従来の業績重視の価値観とは異なる角度からの企業価値を投資基準とするESG投資は、その意義が企業自身に共有されているとはいえない状況がうかがえた。

「様々な指標で企業を評価するのは投資の面から良い」(小売)としてその考え方を支持する声もあるが、少数にとどまった。

むしろ「ESG投資と企業価値をどう結びつけるのか非常に難しい」(建設)など、ESGへの取り組みが十分でも業績が良いとは限らないとの指摘も多い。このため「過度の多様性は社内のみならず社会全体を混乱させる一因」(卸売)、「なぜ推進するのか理解不能」(サービス)といった批判的な声も目立つ。

さらにこのところ企業の不祥事が相次いでいることから、「投資採用銘柄となった企業から不祥事が発生する可能性がないか、懸念がある」(輸送用機器)との声も複数寄せられた。

企業の関心の低さも浮き彫りとなった。

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は年金運用にESG投資を取り入れ、3つの指数を採用している。そのことを認識していると回答した企業は44%と半数以下にとどまった。

自社がESG指数に採用されているか聞いたところ、「採用されていない」が72%、「採用されている」が6%、「わからない」が22%となった。「採用されていない」企業のうち採用を希望する企業は17%にとどまり、8割強は「希望しない」と答えた。

(中川泉 編集:石田仁志)