[14日 ロイター] - <為替> ポンドがドルとユーロに対して下落した。メイ英首相の求心力が低下する中で、欧州連合(EU)離脱交渉で英国の立場が弱まるとの懸念が広がった。

終盤のポンド/ドルは0.57%安の1.3113ドル。ポンドは対ユーロでも0.65%下げた。

英日曜紙サンデー・タイムズによると、与党・保守党議員40人がメイ氏に対する不信任を表明する書簡への署名に同意した。また14日から議会で始まるEUの法令を英国の法律に置き換える手続きに関する法案審議で、議会側が政府権限を縮小する形の修正を要求するとみられる。

みずほ(ニューヨーク)の外為ストラテジスト、サイリーン・ハラジリ氏は「メイ氏は保守党の主導権掌握に引き続き苦闘しているように見受けられる。政権与党が内部に弱さを抱えていることが浮き彫りとなり、それは今後のブレグジット(英のEU離脱)交渉に悪影響を及ぼすと思う」と話した。

FXTM(ロンドン)の調査アナリスト、ルクマン・オツヌガ氏は調査ノートで「相場の動きからは、今月の利上げにもかかわらずポンドに対する市場心理が依然として弱気であることが分かる」と指摘した。

主要6通貨に対するドル指数は0.1%高の94.49。最近は米法人減税が先送りされるのではないかとの不安がドルの下げ圧力となってきた。しかしこの日は、週内に発表される米国の消費者物価指数(CPI)や小売売上高などの重要指標を控えて地合いが改善した。

欧州中央銀行(ECB)が14日に主宰する会合も注目されている。この会合にはECBのドラギ総裁のほか、米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長、日銀の黒田東彦総裁、イングランド銀行(BOE)のカーニー総裁が出席する。

<債券> 2年債利回りが上昇し9年ぶり高水準をつけた。イールドカーブは再びフラット化が進み、市場では12月の0.25%ポイント利上げが織り込まれている。

フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁は13日、東京で開催された会議に出席し、「低インフレの謎」について慎重な見方を示しつつも、連邦準備理事会(FRB)による12月の利上げを想定していると述べた。さらに、FRBは将来的なあらゆる経済ショックに備える必要があるとの見解を示した。

長・短期債の利回り格差は縮小し、5年債と30年債の利回り格差<US5US30=TWEB>は79.30ベーシスポイント(bp)、2年債と10年債の利回り格差<US2US10=TWEB>も71.30bpに縮小した。

前週末は週内の入札を受け、期間が長めの債券を処分する動きが広がり、イールドカーブはスティープ化していた。

TD証券(ニューヨーク)の金利ストラテジスト、ゲナディ・ゴールドバーグ氏は「イールドカーブのスティープ化は供給面を材料に進んだ可能性がある。ただ材料の消化に伴い、ここにきて長期債を買う投資家が増えている」と述べた。

イールドカーブのフラット化については、政府が来年の資金調達に際し、長期債の発行を控え、その大半を財務省短期証券(Tビル)で賄う方針を示していることも影響しているとみられる。また「フラット化は景気後退(リセッション)の兆しとみる向きもあるが、必ずしも正しいとはいえない。過去の景気後退時と比べて現在の水準はまだまだスティープ化しており、景気後退を示す水準に近づいているとはいい難い」(前出のゴールドバーグ氏)という。

10年債<US10YT=RR>利回りは2.402%と、前週末から小幅上昇。2年債<US2YT=RR>は1.687%に上昇し9年ぶり高水準。一方、30年債<US30YT=RR>は2.867%に低下した。

<株式> 小幅高で終了。米ゼネラル・エレクトリック(GE)<GE.N>が大きく下げたが、主要消費財や公益事業など高配当セクターが買われ、全体として上昇した。

GEは13日、2018年の調整後1株利益見通しを引き下げるとともに、四半期配当を従来の半分に減らし、12月から実施すると発表。大幅な事業縮小を目指し、航空機、電力、ヘルスケアの主要3事業に重点を置く方針を表明した。

GE株は5年超ぶり安値となる18.75ドルを付けた後、7.2%安の19.02ドルで引けた。

フォート・ピット・キャピタル・グループのシニアアナリスト、キム・フォレスト氏は「配当目当てにGEに投資していた人々は別の投資先を探している可能性がある」と指摘した。

半面、米玩具メーカー大手マテル<MAT.O>は20.7%急伸。同業のハスブロ<HAS.O>が同社に買収を打診したことが関係者の話で明らかになった。実現すれば米玩具トップ2社が統合することになる。ハスブロは5.9%高で引けた。

<金先物> 対ユーロでのドル安進行に伴う割安感などを背景に買いが入り、反発した。中 心限月12月物の清算値は前週末比4.70ドル(0.37%)高の1オンス=1278. 90ドルとなった。

<米原油先物> 石油輸出国機構(OPEC)主導による協調減産の延長期待や中東情勢をめぐるリスク警戒感などを背景に買いが先行したものの、利益確定とみられる売りが出てほぼ横ばいとなった。米国産標準油種WTIの中心限月12月物の清算値は前週末清算値比0.02ドル(0.04%)高の1バレル=56.76ドル。1月物の清算値は0.01ドル安の56.97ドルだった。

*内容を追加しました。

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