家庭に仏壇がある方も多いだろうが、役割はオフィスの神棚とまったく同じだ。神棚も仏壇も、ともにご先祖さまを意識する装置なのである。

 ご先祖さまを大切にすることで、自然と感謝する気持ちが身につく。それが「一流の人」をつくり、めぐりめぐって最高の幸福を与えてくれる。これこそが、オフィスの神棚の存在理由である。

 私は、けっして「一流の人」ではない。でも、「一流の人」になりたいと願っている。また、「ご先祖さまを大切にする」ことの有効性はよく理解しているつもりだ。

 というのも、私は冠婚葬祭の会社を経営している。結婚式や葬儀のお手伝いをする立場にいる。仕事柄、礼儀や「ご先祖さま」というものを意識する機会が多い。

 私の会社は、おかげさまで昨年、創立50周年を迎えることができた。「おかげさま」と書いたが、もし私が私利私欲で経営していたら、会社はもっと早く潰れていたと思う。

 でも、毎朝神棚に手を合わせ、冠婚葬祭という世の中で必要とされる仕事のお手伝いを真摯にしてきたからこそ、わが社は50周年を迎えることができたのだと考えている。

 こうした「おかげさま」の考え方こそが、「先祖を思う」ことにつながる。実はここにこそ、「幸福になる」法則があるのだ。

先祖を敬うことは
原点・初心に戻ること

 私は大学では経済学を学び、就職した広告代理店では最新マーケティングの手法を習得した。その後、父が創業した会社に入社して、数年後に社長になった。

 まず、私は経営学者ピーター・ドラッカーの著書をすべて読んだ。当時はバブル経済がはじけた後で、不況の波が会社を取り巻いていた。そこで、ドラッカーの「選択と集中」の理論を取り入れ、それに基づいて大幅に経営を見直し、会社を立て直してきた。本当に、ドラッカーにはいくら感謝しても感謝しきれない。