重要なのは「感謝の精神」
「ご利益」を期待してはならない

 さらに、ご先祖さまを意識することで、「長い時間を持った物差し」にも気づかせてもらえる。いかに長いものさしを持てるかが、一流の経営者になれるかどうかの分かれ道になるような気がする。

「この判断を、ご先祖さまはどう思うだろう」という視点を持てば、きっとあなたの判断は独断にならないし、目先の数字だけに左右されることもなくなるはずだ。

 そうした判断は、社員やお客さまにも、きっと応援してもらえるだろう。

『なぜ、一流の人はご先祖さまを大切にするのか?』(すばる舎刊)、一条真也著、200ページ、1512円(税込み)

 私たちは、神や仏、あるいはご先祖さまという、見えない力によって支えられている。一流の人々ほど、自然にそれを感じているのだと思う。

 だからこそ彼らは、オフィスには神棚を、家庭には仏壇を設置して、ご先祖さまを敬い、「おかげさまで」と手を合わせてきたのだろう。

 なお、神棚にいるのは「ご先祖さまではなく神さまでは?」という疑問を持つ読者も多いだろうが、日本では、ご先祖さまはある程度時間が経つと祖霊となり、集合霊として神仏の一員になると考えられている。そのため、神棚に向かって「ご先祖さま」を想っても全く問題はない。

 また神仏に手を合わせる際、「ご利益がありますように」と願う人を見かけるが、これはいけない。なぜかというと、それは「何かを得るために何かをする」という発想だからである。「ご利益重視」は、「何も得るものがないなら行動しない」ということにつながってしまう。

 それでは、人格の向上や幸福にはつながらない。「利益」ではなく、「感謝」の気持ちで手を合わせてほしい。

 最先端企業のオフィスの神棚や、家庭の仏壇には、長年生き残ってきただけの価値がある。みなさんも、明日からオフィスの神棚に手を合わせ、「感謝の精神」を育て、より高みを目指してみてはいかがだろうか。