11月10日、香港株が足元で10年ぶりの高値を更新するなど強気相場となっていることを受け、せっかくのもうけの機会を逃すことを恐れる中国本土の投資家からの資金が殺到している。写真は株価を見る投資家。香港で2015年7月撮影(2017年 ロイター/Tyrone Siu)

[上海 10日 ロイター] - 香港株が足元で10年ぶりの高値を更新するなど強気相場となっていることを受け、せっかくのもうけの機会を逃すことを恐れる中国本土の投資家からの資金が殺到している。

 こうした資金流入により、既に年初来で30%も値上がりしている香港株が一段高となる可能性がある。一方、かつては欧米の機関投資家が主役だった香港市場において、本土投資家がさらに存在感を増すことになる。

 エンペラー・セキュリティーズの調査責任者スタンレー・チャン氏は「連日のように中国からの資金が本土系の金融機関や不動産といった銘柄に流れ込み、市場にとどまっている。本土マネーが相場を左右する力は強まる一方だ」と話した。

 中国当局が本土と香港の株式取引の相互接続制度を初めて導入した3年前から、本土の香港市場向け投資は着実に増えてきた。10月末までの累計の純資金流入額は約5600億元(843億5000万ドル)に上る。

 9日の引け段階までで、6日からの週の上海と香港の株式相互接続経由の本土勢の香港株買い越し額は90億元と、前週の2倍前後に達し、これまでの週間平均をはるかに上回った。本土資金は、深センと香港の株式相互接続経由でも流入している。

 また中国の投資ファンドの間では、個人投資家の需要の高まりに応じる形で香港株関連の投資商品を設立する動きが急速に広がってきた。嘉実基金管理(ハーベスト・ファンドマネジメント)は、6日からの週の計3日だけで、株式投資の最大半分を香港に振り向けるファンドに10億ドルの資金を集めた。予定よりもずっと早く募集目標金額に達した格好だ。

 一方、最低でも資産の80%の投資が義務付けられている「香港」の名を冠する投資商品について、現在は約80本が新規設立の承認を待っている。

 香港上場などの中国企業を対象とする世界規模のヘッジファンドを立ち上げているピンポイントのエグゼクティブディレクター、Ma Xixun氏は「中国の資産運用会社による香港株買いが強まりつつある。香港株のバリュエーションは国際基準で見ればまだ低い」と話した。

 取引所のデータに基づくと、中国投資家の資金は本土系の平安保険や中国銀行といった金融、融創中国や中国恒大集団といった不動産に集中している。騰訊控股(テンセント・ホールディングス)や吉利汽車など本土ではアクセスできない業界リーダーへの買いも際立つ。