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企業のIT投資意欲が急上昇
キーワードは「デジタライゼーション」

――ITR「IT投資動向調査2018」の結果を見る

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]
【第74回】 2017年11月17日
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高まる新技術への投資意欲

 製品/サービスの投資意欲を確認するために、110項目について現在の導入状況と今後の投資意欲を問い、その回答結果を基に、導入済み企業における次年度に向けた投資額の増減傾向を「投資増減指数」、未導入企業における次年度に向けた導入意欲の度合いを「新規導入可能性」として、それぞれ算出してマッピングした。

 そのうち、各種OSや基盤系ソフトウェア、管理ツールなどをまとめたOS/ミドルウェア分野では、「AI/機械学習」と「運用自動化」の2項目が前年からの高い投資意欲をさらに伸ばし、新規導入可能性と投資増減指数ともに上位となった(図3)

 また、新たに調査項目に加えた「ディープラーニング」と「ブロックチェーン」は新規導入可能性で極めて投資意欲が高いことが明らかになった。また、昨今注目が高まっている「RPA」(Robotic Process Automation)についても、新規導入可能性および投資増減指数の両方において高い結果を示した。

出典:ITR「IT投資動向調査2018」
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 サーバシステムやデバイスなどを含むインフラ/デバイス分野では「IoT/M2M(Internet of Things/Machine to Machine)」が、業務を直接的に支援するアプリケーション分野では「BI(Business Intelligence)/データ分析」が、いずれも複数の業種で最も高い指数を獲得している。総じて、国内企業がデジタライゼーションの推進に寄与する新分野のテクノロジに積極的に投資する姿が鮮明に表れている。

 セキュリティ分野では、前年には落ち着きつつあると見られた「DLP(Data Loss Prevention)」や「デジタルフォレンジック」の新規導入意欲の再上昇が確認できた。また、「CASB(Cloud Access Security Broker)」「SOC(Security Operation Center)/マネージド・セキュリティサービス」といった、新たな技術・環境に適応する項目は極めて投資意欲が高く注目を集めていることが明らかとなった。

 特に、導入済み企業における次年度に向けた投資額の増加が見込まれているディープラーニング、RPA、AI/機械学習などの分野では、試験導入やPoC(コンセプト検証)の段階から、実導入や本番稼働へと踏み出す企業が増加することが予想される。

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内山悟志
[ITR会長/エグゼクティブ・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。2019年2月より現職。


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日々進化するIT技術をどうやって経営にいかしていくか。この課題を、独立系ITアナリストが事例を交えて再検証する。クラウド、セキュリティ、仮想化、ビッグデータ、デジタルマーケティング、グローバル業務基盤…。毎回テーマを決め、技術視点でなく経営者の視点で解き明かす。

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